減った玄関庇と増えたオーバーハング②~化粧の玄関庇

鈴木敏広

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テーマ:住宅の変化

玄関庇の中でも特に和風の玄関庇は見なくなりました。和風の玄関庇とは垂木や野地板を化粧(木そのままで鉋(かんな)で仕上げ、塗装もしない)のことだが、昔は大工の腕の見せ所でした。節のないヒノキなどの木材を手刻みで加工して現場で組み立てて作りました(下の写真参照)。

玄関庇と②

※写真の庇は、柱、桁、垂木、野地板全て桧材です。

上記に書いたように垂木や軒天などは塗装しないので、雨が漏らない限りメンテナンスは不要、屋根を銅板やフッ素塗装の鋼板などで仕上げれば、周囲の環境にもよりますが30,40年は何もしなくていい、メンテ費用がかからない庇です。新築の時には少々費用がかかりますが、長い目で見れば安い工事です。

作られなくなった理由は新築時に手間と費用が掛かるなどいろいろな理由が考えられますが、プレカット工場で加工が増えて大工が加工しなくなったことも大きいと思います。無垢の木を加工し、鉋で仕上げるのでプレカット工場のような大きな設備には向かないのです。

ですから、化粧の庇は減り箱のような形で塗装して仕上げるような玄関庇ばかりになったと思います。

次回は、『減った玄関庇と増えたオーバーハング③~バルコニーと外壁からへこんだ玄関』です。


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木造住宅からマンション、市の施設まで建築業界の最前線で培った経験を生かし、安心、安全、快適で長く暮らせる住環境を提案。大工経験から現場の声を大切にする家づくりは職人にも施主にも好評。リピート率も高い。

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