Mybestpro Members

鈴木敏広プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

省エネ基準は検証しなくていいのか④~日本の地形を考えると

鈴木敏広

鈴木敏広

テーマ:住宅の工法

北海道と青森以南の日本は、主に夏に太平洋の気候を受ける太平洋側と冬に大陸の気候の影響を受ける日本海側では気候が違います。本州の中央に山脈が連なっているために冬に大陸の寒気が直接太平洋側に来ないし、夏に太平洋側の暖気が直接日本海側にはいきません。

省エネ検証④

前回書きましたが、日本でドイツのような高気密高断熱でいいのは北海道と青森だけではないでしょうか。私も太平洋側に住んでいますが、冬は晴天が続きます。雪はほとんど降りませんし雨も少ない、冒頭に書いたように、大陸からくる雪は中央の山でなくなってしまうためです。冷たい風だけが吹きます。外はその風で寒いのですが、晴天の日は開口部から入る太陽光のおかげでかなり温度が上がります。

ですから太平洋側の地域では、天気のいい日の太陽光を室内に取り込み、上がった温度を維持すれば省エネになるはずです。中には、天気の悪い日は窓が小さい方と暖房が効いて有利だろうと考える方がいるとは思いますが、窓が小さければ太陽光は期待できなくなり晴天の日でも暖房に頼るのではないでしょうか。

晴天の日が多いのなら、太陽エネルギーは費用は掛かりませんから、多い晴天の日合わせて家を作った方が合理的だと思います。

東京とベルリンを比べると大きく違うのは湿度です(北海道は雪が降るため冬の湿度は高く、東京と20%も違います)。湿度が低いとより寒く感じますから、冬に室内の湿度を上げても大丈夫な工法が太平洋側には向いていると思います。

次回は、『省エネ基準は検証しなくていいのか⑤~冬以外を考えないでいいのか』です。

YouTube公開しています。(https://www.youtube.com/channel/UCSOQJJSB9gBnpWeXIWnSacg)


---------1955年以来の信頼と実績---------------------------
      まちの大工さん 鈴木工務店
TEL : 0532-32-4265 FAX : 0532-32-4251
E-mail : machino-daikusan@h3.dion.ne.jp
◆住まいに関することは何でもお気軽にご相談下さい
-------------------------------------------------------------------------

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

鈴木敏広
専門家

鈴木敏広(一級建築士)

まちの大工さん 鈴木工務店

木造住宅からマンション、市の施設まで建築業界の最前線で培った経験を生かし、安心、安全、快適で長く暮らせる住環境を提案。大工経験から現場の声を大切にする家づくりは職人にも施主にも好評。リピート率も高い。

鈴木敏広プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

長く愛される住まい作りにこだわる一級建築士

鈴木敏広プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼