結露⑮~内部結露を防ぐ方法1
コラム「聴竹居を訪ねて参照」の聴竹居は90年ほど前に建築家藤井厚二が建てた自邸です。藤井厚二は著書「THE JAPAESE DWELLING HOUSE」の中で日本の主要都市東京、京都、大阪を代表として欧米(英、独、仏、北米)と日本の気候を比較しています。
「欧米は夏季に高温少湿、冬季に低温多湿となるのが一般的な現象で、それに対して日本は多くの場合夏季に多湿、冬季に少湿となり、降雨量も欧米とは違い多量である。そのため、欧米の国が冬季に快適性を確保するために研究が行われてきたが、日本は夏季の研究することが第一と」書かれています。
⑤、⑥にベルリンと東京を比較しましたが、気候が違うのですからドイツを手本とすることはできないと思います。藤井厚二の時代と違い、現代はインターネットを使えば私でもベルリンと東京の比較ができます。グラフの形が全く違う、しかも結露する要因である湿度が全く違うのですから、ドイツと同じではだめなのです。日本に向いた断熱工法が必要なのです。
「高性能断熱材を使用し気密を高めるだけで快適な生活ができる、家の寿命も延びる」とA氏のように考えている人には、⑪に書いたように年数が経たないとわからないことを書くべきではないと思います。
外壁のサイディングがコラム「高断熱より結露対策①参照」に書いたような状態になっている家が増えています。私の見る限り築10年以内です。A氏たちはサイディングがあのような状態になる理由をどう考えているのでしょうか。わかっていることは、より高気密高断熱が勧められるようになってからということです。
結露して傷んでいては住む人の健康を守られないと思います。まず、「住宅の健康」を優先すること、健康な住宅だから住む人も健康になると思います。
次回は、『住宅の健康⑭~余談2ドイツを手本にする不思議 その3』です。
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