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基礎の高さについて⑦~バリアフリーは家の中だけ

鈴木敏広

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テーマ:住宅の工法

最近の家を見ていると、根入れしないで現状の地盤に基礎を置くように作るため平坦な土地でも玄関ポーチに数段の階段がある家が増えています。ちょっとの大雨でも水に浸かるような地域ならわかりますが、そうでない場合は地面からなるべく段数の少ない階段か、スロープなどで玄関に入りたいものです。

④にも書いたように最近の家は、ベタ基礎の立ち上がりを低くしていますが、基礎のベース15㎝+立ち上がり35㎝として計50㎝となります。そう考えると平坦な土地でも高さ15㎝ほどの階段で地面から玄関までに最低でも3~4段は必要になります。

住宅のバリアフリー化とは(手すりなどを付けることなどもありますが)段差などをなくし、年をとるなどして足がおぼつかなくなっても生活できるようにすることです。現代の家はほとんどの家が、玄関から床に上がれば床は平らでつまずかないように作っています。

ところがここまで書いたように、最近の現状の地盤の上に基礎を作る家は、1階の床から玄関に降り、外へ出るときには何段か階段を利用しないと出られません。スロープにすればいいですが、スロープは階段に比べ長さが必要です。玄関から道路まで距離がないとできません。

つまり、外から家の中へ入る、家から外に出るといったことには、バリアフリーのことはあまり考えていないといえます。

基礎の高さ⑦

道路と敷地で高低差があり、階段を設けないと無理な現場はもちろんあります。しかし、平坦な敷地でも数段の階段が必要な家は、歩道や店など外の施設がバリアフリーになっている時代に、逆行していると私は思うのですが。

次回は、『基礎の高さについて⑧~アプローチを考えていない家』です。


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専門家

鈴木敏広(一級建築士)

まちの大工さん 鈴木工務店

木造住宅からマンション、市の施設まで建築業界の最前線で培った経験を生かし、安心、安全、快適で長く暮らせる住環境を提案。大工経験から現場の声を大切にする家づくりは職人にも施主にも好評。リピート率も高い。

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