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夏型結露③~私が生まれ育った家は

鈴木敏広

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テーマ:結露

私が子供の頃の家は、夏は南の庭に面した広縁のガラス戸、和室の障子、間仕切りの襖、廊下との襖、玄関の戸と各部屋の戸を開けて一軒の家を一つの部屋にして、南から北まで風を通して過ごしていました。冬は逆に戸を閉めることで部屋の単位を小さくして過ごしていました。

夏型結露③

土壁、木材とタタミで作られていて、断熱材などどこにも入っていませんから夏は暑いし、冬は風が入ってこないだけで寒く、一年中家の中も外もほとんど同じ気温でした。現代のような電気設備もないため他に方法はなかったのです。
冬は寒ければ着込めばいいですが、夏は脱いでも暑ければそれ以上はどうにもできないため、汗を出して過ごしていました。勝手に汗腺トレーニングしていたのだと思います。そのせいか熱中症になったことはありませんでした。

暑くて寒い家でしたが昭和23年に建てられたその家は、台風の時に雨漏りしたことがあっても、建替えられるまで43年間大きな修繕もありませんでした。

このコラムのタイトルは「夏型結露」ですが、ここまでは人が機械のおかげで夏も冬も快適に暮らすことができるようになり、夏に汗腺の働きが悪くなることで人の体が変化することを書きました。
次回からは家の話です。人だけでなく家にも今まではなかったことが起きているのです。

次回は、『夏型結露④~コラム「冬向きの家」より今までと違う作り方』です。


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鈴木敏広(一級建築士)

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木造住宅からマンション、市の施設まで建築業界の最前線で培った経験を生かし、安心、安全、快適で長く暮らせる住環境を提案。大工経験から現場の声を大切にする家づくりは職人にも施主にも好評。リピート率も高い。

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