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樋について⑨~竪樋を接着すると

鈴木敏広

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今回は⑦の終わりに書いたたて樋と下水管の話です。
排水管は地面の中を通り道路の雨水用の下水管に繋がっています。排水管は地面に埋めますから、管の厚みが樋の管よりも厚く出来ています。樋の配管よりも丈夫なのです。

真夏に電車のレールが日中に温められ伸びて長さが長くなり、曲がったというニュースを聞いたことがあると思います。
前述したように下水管は厚みが厚く、ほとんどは地面に埋められているため太陽が出ていてもあまり膨張しません。ところがたて樋は太陽に当り気温も高いと膨張し、レールのように長さが長くなります。

以下は私が見たことがあるたて樋と排水管が接着してあった二つの事例です。

一つ目の事例はたて樋が伸びて外に膨らみ固定するツカミを抜くような力が働き、ツカミを外壁から抜いてしまった例です。もちろんいきなり抜けません。膨張を何度も繰り返すことで徐々に抜けてしまったのです。

樋について⑨

二つ目の事例はたて樋が伸びてたて樋のつなぎ目が抜けてしまった例です。もちろん接着剤で接合していたのですが、膨張を繰り返すことで、接合部が抜けてしまったのです。

樋にてついて⑨-2

もしかすると、オーバーフローソケットのように夏のたて樋の対策が考えられているのか分かりませんが、私が見たカタログには、夏のたて樋についての記述はありませんでした。

次回は、『樋について⑩~サイフォン現象の疑問』です。


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鈴木敏広(一級建築士)

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木造住宅からマンション、市の施設まで建築業界の最前線で培った経験を生かし、安心、安全、快適で長く暮らせる住環境を提案。大工経験から現場の声を大切にする家づくりは職人にも施主にも好評。リピート率も高い。

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