軒のない屋根の家②~軒のある家の雨のかかり方
軒がない屋根でも雨が漏らない理由は、コラム「築30年で初めて漏った家⑤」(コラム;築30年で初めて漏った家⑤ 参照)に書いたように、防水シートやシール材などの水を通さない材料に頼っているためです。
軒がない、庇がないと雨は壁全面に当たります。全く風が無く(ほとんどあり得ませんが)雨が真下に降らない限り、壁全面に雨はかかります。また、窓の上に庇もなければ窓にも雨が必ずかかることになります。軒や庇のある家と比べると雨がかからない工夫も雨の連続性を絶つ工夫もありません。
前回の絵と比べると雨が掛からない場所がないことが分かると思います。
図のように全体に雨が掛かるため防水材料に穴が一つ空けば雨水は家の中に浸入していきます。軒や庇も無いので、雨が止まない限り入り続けることになります。
防水材料に穴がなぜ開くのか?もちろん、新築時に穴が開いていて雨漏りすれば欠陥住宅です。家は建てられると長い期間使用します。風の強い日に何かが飛んできて破損し穴が開くような事故も考えられますが、それよりも新築したときに新品の防水材料も、太陽に当り、雨風を受けていれば、どんな材料も劣化し隙間が出来るとそこから雨が侵入するようになります。
どんな材料も劣化し、新品の状態を維持できることはないのです。
次回は、「軒のない屋根の家④~軒のある家は傘、軒のない家は合羽」です。
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