Mybestpro Members

鈴木敏広プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

片流れ屋根の家が増える理由⑦~デメリットその2 雨の量

鈴木敏広

鈴木敏広

テーマ:片流れ屋根の家

今回はデメリットその2です。
片流れの家は雨が一方向に流れるため、勾配が同じで、面積が同じならば切妻屋根に比べ水下では雨の量が2倍になり、量が増える分、傷むのは早くなります。

片流れ屋根⑦

雨を一方向に流すことに問題はありません。私が傷むと言っていることは何十年か経った時の問題です。もちろん、新築で漏れば欠陥ですが、施工に問題がなくてもどんな建物でも経年劣化、つまり、傷んでいくわけです。その傷みがひどくなると雨漏りにつながります。

片流れ屋根では大雨の時に全ての雨が一つの樋に流れます。雨量が多くなり竪樋の流れが悪くなると、軒樋に水が溜まることになります。その様な状態になっても雨は降っていますから、雨が跳ねることによって軒先を傷めるのです(下図参照)。

片流れ屋根⑦-1

雨が跳ねるだけでと思われるかもしれませんが、屋根は上からの雨に対して作ります。跳ねて下から雨が当たる、ことはあまり考えられていないのです。軒先が傷めば屋根材に不具合が出ることになります。

特に最近は、金属屋根材が多いようです。切妻屋根でも30年程で錆びて傷み、最後には切れてしまいますが、水の量が多ければもっと早く軒先が傷むと考えられます。

雨漏りを防ぐには、屋根に降った雨は分散して排出した方がいいことは分かると思います。片流れ屋根は分散しないだけ条件が悪くなります。

次回は、軒のない家が増える理由⑧~片流れ屋根の家は水上も大事  です。

---------1955年以来の信頼と実績--------------
      まちの大工さん 鈴木工務店
TEL : 0532-32-4265 FAX : 0532-32-4251
E-mail : machino-daikusan@h3.dion.ne.jp
◆住まいに関することは何でもお気軽にご相談下さい
---------------------------------------------

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

鈴木敏広
専門家

鈴木敏広(一級建築士)

まちの大工さん 鈴木工務店

木造住宅からマンション、市の施設まで建築業界の最前線で培った経験を生かし、安心、安全、快適で長く暮らせる住環境を提案。大工経験から現場の声を大切にする家づくりは職人にも施主にも好評。リピート率も高い。

鈴木敏広プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

長く愛される住まい作りにこだわる一級建築士

鈴木敏広プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼