金物工法の疑問⑦~余力のない怖さ
「集成材の疑問」に書いたプレカットと金物工法の普及は、今までの日本の住宅の作り方を替えました。大工は自分で墨付け加工しなくなりました。建てる日の朝、材料の番号を見て柱や梁を組み立てるだけです。もしも、計算が間違っていても、プレカット加工に問題があっても、組み立てている時に職人がおかしいと気付いたとしても「計算しているから間違いない」とされそのまま工事をすると思います。
大工が加工しなくなると、設計する建築士も加工を見ることができなくなりました。構造の事はほとんどプレカット工場のソフトに頼っています。集成材と金物工法は経験して技術を身に付ける機会を奪ったのです。現場には、本当にこれでいいのか疑わない、考えようとしない技術者しかいなくなっています。
日本は自然災害の多い国です。災害にあった時に家を直すのは現場です。工場ではありません。災害時だけではなくリフォームもそうです。ストック住宅は800万戸もあるとされ、国は直して流通させようと考えていますが、現場で直すにはそのための経験が必要なのです。
もし、数年後に大きな地震が起きた場合、これまで建てられた家を直すことが出来る人が身近にいるでしょうか?現場を見て最適な方法を決め実行する、一から作ったことができない人にその判断が出来るでしょうか?
私もそうですが、建築は現場でしか教えることが出来ません。自然災害の多い日本には、現場で考えることが出来る人を育てていかないといけないのではと思います。
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