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集成材の疑問⑦~余談 下限5%について

鈴木敏広

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テーマ:集成材

今回は、余談で無垢材の強度についてです。

最近は、集成材が当たり前のように使われるようになったため耳にしませんが、集成材で作ることが流行り出した頃、集成材で建てている業者が
「集成材の方が無垢材よりも強い」
と宣伝していました。2に書いたように集成材は、強度を決めて作っていますから、本物の木より強くも弱くも作れるというのが本当です。

では、本物の木の強度はどのように決められているのでしょうか?

下の図を見てください。材料実験をすると図のように真ん中が高く両端が低い形になります(このような形を正規分布と言います)。学校のテストでも出来る人と出来ない人が少なく平均点に近い人が多く、普通は同じような形になり、一番高いところあたりが平均値になるわけです。

木材の基準強度は、平均値で決められているのではなく、下限から5%の値(図の矢印のところ)で決まっています。下から5%の値が基準、つまり残り95%は基準強度以上ということになります。下限5%で決められている理由は、節や割れなどがあるため安全率を大きく考えているからです。

集成材が本当の木材よりも強度があると宣伝していた業者が、木材の強度のどこを基準にしているのか分かりませんが、もしも、国が決めている基準強度の1.5倍ならその強度はそれほどでもないことになります。

集成材7

次回は「集成材の疑問⑧~土台は集成材ではなかった」です

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専門家

鈴木敏広(一級建築士)

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木造住宅からマンション、市の施設まで建築業界の最前線で培った経験を生かし、安心、安全、快適で長く暮らせる住環境を提案。大工経験から現場の声を大切にする家づくりは職人にも施主にも好評。リピート率も高い。

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