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危ない吹き抜け11~天王寺谷棟梁の逸話

鈴木敏広

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テーマ:危ない吹き抜け

コラム「建築は大工が作ってきたが6」に95年の阪神の地震で神戸市を中心に170棟中169棟倒壊しなかった家を建てた天王寺谷棟梁の事を書きました。その棟梁の逸話です。棟梁に仕事を依頼した施主との会話です。

施主「棟梁、ここの窓もっと大きくしてくれへんか?」
棟梁「家が弱くなるからできまへん。」
施主「どこでもやってますがな、もっと大きくしてください。」
棟梁「私に任せると言ったんやから、任せなさい。建物がもたんようなおかしな建物は造れません」
と、棟梁は道具箱を片づけて引き揚げようとした時、
施主「あんたには負けましたわ。好きなようにやってください」

結局、施主が引き下がったのだが、棟梁としては安全性に少しでも不安のある家は造れなかったそうです。
95年の地震の直後、棟梁の家にはお礼のTELがたくさん届いたそうです。
危ない吹き抜け13-2
棟梁が建てた頃の法律は、今よりずっとゆるい基準でした。天王寺谷棟梁は、当時の法律を守るだけではなく、自分で考え必要と思えば補強して工事したそうです。
次回は、「危ない吹き抜け12~1981年の建築基準法改正 壁は40%増となった」です。

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専門家

鈴木敏広(一級建築士)

まちの大工さん 鈴木工務店

木造住宅からマンション、市の施設まで建築業界の最前線で培った経験を生かし、安心、安全、快適で長く暮らせる住環境を提案。大工経験から現場の声を大切にする家づくりは職人にも施主にも好評。リピート率も高い。

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