危ない吹き抜け7~教科書通りの家
今回は矢切りの窓の話です。矢切とは、下の絵のような家の妻側の三角部分のことで、ここに窓などの開口部を付ける家(ガラス張りの家をも見たことがあります)の話です。
特に、最近よく見る家は、太陽光パネルをのせる様に屋根を片流れにし、南側の面積を増やしています。そして、片流れの高い方を物置や部屋にし、そこへ窓を設けています(下図参照)
吹抜けと同様、矢切の壁が窓によって弱くなると、屋根にかかる力を下へ伝えにくくなります。矢切の壁も力を伝える重要な役割があるのです。
日本の家の屋根は壁よりも大きい場合が多く、屋根にかかる力が大きくなります、矢切りの窓は、吹き抜けと同じように大きなリスクがあるのです。
最近は屋根に合板を張り、屋根の剛性を高める方法もありますが、剛性の高い屋根が受けた力も下に伝えないといけません。矢切が窓では屋根は伝える力が減ることに変わりないと思います。
次回は、「危ない吹き抜け11~天王寺谷棟梁の逸話」です。