リフォームの時代⑬ 急成長したリフォーム業界のひずみ
数年前に協力業者から聞いた話ですが、解体してから設計している現場があると聞いたことがあります。
協力業者 「1階は解体して何もありません。」
私 「へー。じゃあ、やり易いですね。電気も水道も切れるし…。」
協力業者 「ダメですよ。住んでいるのに…。」
私 「1階は何もないと言ったではないですか?離れにでも住んでいるのですか?」
協力業者 「ありません。2階に住んでいます。ご夫婦で。」
私 「エッ。2階に台所もトイレもあるのですか?」
協力業者 「トイレだけです。」
私 「じゃあ、離れ(別屋)があるか、他に間借りしているのですか?」
協力業者 「2階で生活しています。もう一カ月ぐらい…。」
私 「・・・。」
どうやら、設計する人が分らないので、全部解体してから設計しているらしいのです。その間、台所も風呂もない家の2階にご夫婦で生活している、しかもすでに一カ月。
確かに、ちゃんと工事することを考えるとベストな方法かもしれませんが、施主の生活を考えないで行う工事の方法には納得がいきません。木造軸組み工法は部分解体できますから、生活しながら工事できない理由はありません。それに、解体したままでは用心が悪く、電気、ガス、水道などの設備は中途半端な状態になっていることが考えられます。何か事故が起きたらと考えるといい方法とは思えません。
次回は『リフォームの時代⑫ リフォーム専門店の不思議』です。