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建築は大工が造ってきたが12-天王寺谷棟梁

鈴木敏広

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テーマ:建築は大工が造ってきたが

1995年1月17日、阪神大震災が起きました。
被害の大きかった神戸市東灘区に引退した一人の棟梁がいました。

天王寺谷(てんのうじや)棟梁は、神戸市を中心に戦前から工務店を経営していた人です。棟梁の関った工事170棟中一棟しか倒壊しませんでした。
倒れた阪神高速道路の際に40棟、震度7の地域に11棟、しかも、築30年は当たり前、東灘区の築43年の家も倒壊しませんでした。
棟梁の家を調べたところ、当時の基準よりも筋交いを入れ、必要とあれば、補強していました。

棟梁にその極意を聞いたところ、「特別なことはしてしません。師匠の言われた通り、柱を基礎に固定し、通し柱をたくさん入れ、筋交いをまんべんなく入れただけです。」と答えたそうです。

        天王寺谷棟梁

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専門家

鈴木敏広(一級建築士)

まちの大工さん 鈴木工務店

木造住宅からマンション、市の施設まで建築業界の最前線で培った経験を生かし、安心、安全、快適で長く暮らせる住環境を提案。大工経験から現場の声を大切にする家づくりは職人にも施主にも好評。リピート率も高い。

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