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平松幹夫(ひらまつみきお) / マナー講師

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

コラム

マナーうんちく話2161《長い歴史を有す師走の年中行事①「お歳暮」》

2022年12月2日

テーマ:歳時記のマナー

コラムカテゴリ:くらし

12月の和風月名は、普段は穏やかに暮らしている師僧が仏事で非常に多忙になり、走り回るので「師走」と名付けられたとか・・・。

年末は、その年に犯した多くの罪に対し懺悔(ざんげ)し、身も心も清めて、清々しい気分で新しい年を迎えるため、やるべきことが沢山あるということです。

さらに12月は、古い年を除く「徐月」、春への期待を込めた「春待ち月」といった呼び名もあります。

いずれも12月は新年への思いを馳せる月ということでしょう。


これからお歳暮、忘年会、クリスマス、年賀状、迎春準備などなど、様々な年末行事が目白押しですが、インフルエンザにコロナとくれば、例年よりさらに気分的に落ち着かなくなりそうです。

くれぐれも無理をせず、ご自愛の上、活躍下さい。


今年の12月7日は二十四節気の一つ「大雪」です。
暦の上では本格的に雪が降り始める頃ですが、今年はどうでしょうか。

ちなみにその冬、始めて降る雪を「初雪」と言いますが、以前「マナーうんちく話」でも触れたように「初雪の見参(げんざん)」ともいいます。

平安の頃、初雪が降った時に群臣が宮中に参上したそうですが、宮中に参るとなればドレスコードも定められていたのでしょうね。

今も昔も宮遣いは大変だったわけです。
それにしても初雪がこのような影響を与えたとは驚きです。

ところでこの時期になると「お歳暮」が気になる人も多いのではないでしょうか。

お歳暮は、今ではこの一年間いろいろとお世話になった上司や親族などに、感謝の気持ちを込めて贈りますが、最近では宅配利用が増え、作法にのっとり持参する人はめっきり減った気がします。

理想は相手宅に出向き、きちんと挨拶して、手渡しするのがいいと思います。

ただ日本の贈答の起源は神道の影響が強く由来も複雑で、おまけに熨斗、包装の仕方、訪問の仕方、渡し方などにも作法が定められております。

だから訪問して、口上を述べ、手渡しするとすれば、多少なりとも窮屈な思いをするかもしれませんね。
予備知識やスキルもある程度要求されるでしょう。

例えば玄関での作法、襖や障子の開け閉て、座布団や座礼の作法、贈り物の渡し方、さらに茶菓のいただき方などなど・・・。

しかしそれだけ手間暇をかけ、堅苦しい経験を積むことで、相手とのつながりがより強化されます。

絆を深めるにはそれなりの努力が必要になるということです。

詳しくは「マナーうんちく話・訪問の仕方、贈り物の仕方」などを参考にして下さい。

またお歳暮やお中元は持続性があるものですから、一度すれば今後もすることになります。

従って一度限りでしたら、表書きは、お歳暮より「お礼」がお勧めです。

ちなみに「歳暮」とは「年の暮れ」を表す言葉で12月の季語にもなっていますが、昔は歳神様をお迎えする際、供え物をする習慣がありました。

年の暮れになると、その家を出た嫁や、分家の人たちがお神酒のつまみになるカズノコ、ブリ、サケ、スルメ、カズノコなどを下げてきたわけです。
その名残は現在でも生きていますね。

今のように、年末になって組織の上司などに贈り物を届ける風習は武家社会にはすでに存在していたようです。
当時のことですから厳格な作法にのっとって行われていたのでしょう。


冠婚葬祭時に祝儀や香典を現金で渡したり、手土産持参で上司宅を訪問したりする習慣は、世界的にも大変ユニークな文化だと思います。

それだけ相手を思い、絆を持続し、深めることを重く見たのでしょう。

長い歴史を経て、形を変えたとはいえ、いまだにこのような風習が残っているわけですから、いい意味で大切にしたいものです。


最後にお歳暮を届ける時期は、本来は正月事始めの12月13日から20日までだったのですが、年々早まってきています。
商戦といわれるくらいですから無理もないと思います。

いずれにせよ、贈る側と贈られる側に感謝や思いやりの気持ちがあることが大切です。

この記事を書いたプロ

平松幹夫

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