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平松幹夫(ひらまつみきお) / マナー講師

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コラム

マナーうんちく話2047《「七夕流し」と梅雨に関する風情ある言葉》

2021年7月8日

テーマ:歳時記のマナー

コラムカテゴリ:くらし

梅雨末期の頃は降雨量が多く、時に豪雨になるケースも珍しくなくなりましたが、今年もそうでしたね。
ちなみに梅雨末期の激しい雨は「荒梅雨」もしくは「暴れ梅雨」と呼ばれました。

四季に恵まれ、感性豊かな先人は、雨や雪や風にも大変美しい響きが感じられる素敵な名前を付けています。

梅の実が熟す頃に降る長雨に「梅雨」と名付けたことは有名ですが、その梅雨入りの前の雨を「迎え梅雨」と呼びました。

そしてしばらく「梅雨休み」があったり「梅雨冷」を経験し、梅雨明け前の雷を伴った雨には「送り梅雨」とか「帰り梅雨」という名前を付けました。

さらに梅雨にもいろいろなタイプがありますが、比較的弱い雨でじとじと続く雨は「女梅雨」、梅雨だというのに晴れた日が多いけど、いったん降れば非常に強い雨になるような雨には「男梅雨」と名付けました。

また春になって菜の花が咲く頃に長雨に見舞われることが多いのですが、これは「菜種梅雨」と呼ばれていますね。

ところで今年の七夕の日は全国各地で雨が降り、織姫と彦星の、年に一度の逢瀬が気になった人も多かったのではないでしょうか・・・。

前回のコラムで七夕の日に雨が降り、天の川が渡れなくなったら、天帝(天を支配する神)命を受けたカササギの集団がやってきて、羽を広げて橋を作ってくれるので、その橋を渡って織姫と彦星が一年に一度のデートを楽しめむわけですが、実は「七夕には雨が降った方がいい」という説もあります。

旧暦では七夕の1週間後くらいにはお盆になるわけですが、盆に里帰りされる仏様をお迎えするにあたり、七夕の日に雨が降れば、この雨で身を清めることができるからです。

正月に歳神様をお迎えするのに、12月から家を大掃除して清めてお迎えするのと同じ理屈ですね。

ところで七夕の頃に降る長雨をどのように呼ぶかご存じでしょうか?

今はSDGS(持続可能な開発目標)ということで、政府、自治体、企業、個人レベルで様々な取り組みが行われていますが、私が幼い頃には願い事を書いた短冊を吊り下げた七夕飾りは川に流していました。

これを七夕流しと呼ぶところもあるようですが、一般的には七夕の頃に降る長雨のことを「七夕流し」と呼んでいます。

七夕は日本や中国の色々な物語が重なり合って現在のようになっていますが、特に7月7日に降る雨は「催涙雨(さいるいあめ)」と名付けられています。

燃えるような恋を経験した人は実感されたと思いますが、一年に一度しか会うことが許されていないのに、その日に大雨が降って会えなくなった時に流す涙の雨という意味です。

これではあまりにもかわいそうということで、優しい心を持った先人はカササギを登場させたのでしょうね。

さらに一年に一度逢ったものの、時が過ぎれば再度離れ離れになるわけですが、この別れ際に流す悲し涙の雨ともいわれています。

この他四季に恵まれた日本には、季節によって異なる雨の名がたくさんあります。
「春雨」「桜雨」「花時雨」「催花雨」「五月雨」「緑雨」「青葉雨」「梅雨」「夕立」「秋雨」「冷雨」「時雨」「氷雨」などなど・・・。

春の長雨は「春霖」で、秋の長雨は「秋霖」なども響きのいい名ですね。」

最近は地球環境が大きく変化したせいでしょうか、気象用語も「暴風雨」「豪雨」「集中豪雨」「局地的大雨」「ゲリラ豪雨」など荒々しい感じのものが大きくなりましたが、中でも最近できた「線状降水帯」のようなものにはあまり触れたくありませんね。

SDGSのような理解に苦しむような言葉を羅列するのもいいかもしれませんが、先人のように自然に真摯に向きあい、自然と共有する生き方にも目を向けるべきだと思うのですが・・・。

昔の言葉は響きがいいということは、それだけ先人が優しく、思いやりのある気持ちで自然と接していたからではないでしょうか。

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