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平松幹夫

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平松幹夫(ひらまつみきお) / マナー講師

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

コラム

マナーうんちく話1988《「実るほど首を垂れる稲穂かな」。感謝と謙虚の心に触れる9月》

2020年9月1日

テーマ:日常生活におけるマナー

コラムカテゴリ:くらし

我が家の近所の田んぼでは早くも「早稲」が頭を垂れています。
コロナ禍と猛暑の厳しい夏でしたが、実りの季節がやってきた気がします。

でも手放しでは喜べません。
9月1日頃(2020年は8月31日)は雑節の一つ「二百十日」です。

旧暦のスタートは立春ですから、立春から数えて210日目で台風が多い頃です。
昔は稲の出来・不出来は命に直結する一大事であり、やっと収穫を目にした頃、大風に見舞われてはたまったものではありません。

だから神様に色々な願い事をするわけで、この名残の踊りも各地でありますね。

日本は世界がうらやむ程、美しい自然が織りなす素敵な環境に恵まれているお陰でしょうか、自然と共生し、感謝し、季節を愛でて豊かな感性を育んできました。

ところが、悲なしいかな経済発展と環境保護は両立できません。
経済活動が活発になればなるほど、自然の環境は破壊されます。

しかし自然は黙認してくれません。
風や雨の猛威は中途半端ではなくなりました。今回の猛烈な台風もそうですね・・・。

日本にある世界一のコンピューター「富岳」でも、自然災害の予想は出来ても食い止めることはできません。世界規模の抜本的対策が必要ですが、地球上に存在する200余りの国や地域が一枚岩になれていません。

日本人の暮らしも大きく変わりました。四季を豊かに彩る、数々の年中行事の在り方もすっかり様変わりしました。困ったことだと痛感します・・・。

市場原理が人の心も自然環境も大きく変えたわけです。
さらに困ったことに、今の人はそれにすっかり慣れてしまった気がします。

「実るほど首を垂れる稲穂かな」という諺があります。

何時頃、誰が説いた言葉か定かではありませんが、5・7・5の口調になっているので、おそらく俳句ができた後ではないかといわれています。

稲の穂は熟すほど重くなって垂れ下がってくるので、教養や徳が深くなればなるほど、かえって他者に対して謙虚になるという意味で使用されます。

つまり、人格者ほど謙虚で、小人物ほど尊大に振舞うということですね。
英語では「the more noble the more humble」と表現されます。

座右の銘にする人もおおいでしょう。またプライベートやビジネスを問わず、様々なシーンで使用されますが、これに該当する人は本当に少ないですね。

「首を垂れる」とは相手を敬うということですが、日本の挨拶の「立礼」も「座礼」も頭を下げます。

頭は人にとって最も大切なところで、最も弱いところでもあります。
それを下げて相手に差し出すわけですから、とても勇気がいるところです。
日本が平和だからこそ完成した素晴らしい文化だと思っています。

さらに稲穂が実るには様々な条件が必要です。
わたしも畑仕事をしていますが、まず土づくりです。次に田んぼは水が必要不可欠です。また太陽の光も大切です。

このような要素に恵まれて初めて実るわけで、稲穂は、私が成熟できたのは土・水・光のお陰で感謝しています!という気持ちで、自然に頭を下げるのでしょうね。

現在は大学も大幅に増え、教養を身に付けた人は珍しくありません。
しかしその結果はどうでしょう?

素晴らしい人も多いですが、反面自己主張が強くなった人が増えてきた気がしてなりません。その逆に、他者に思いやりを持ち、感謝の心や謙虚な気持ちを持った人が少なくなったと思います。本末転倒ですね。

9月は次第に夜が長くなり「夜長月」「長月」と呼ばれます。
秋の夜長に、自然や人に対して、感謝とか謙虚になることの大切さをしんみり考えてみるのもお勧めです。季節の変わり目です。体調管理を心がけて下さい。

この記事を書いたプロ

平松幹夫

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平松幹夫(人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾)

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