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平松幹夫(ひらまつみきお) / マナー講師

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コラム

マナーうんちく話1958《新型コロナで心配!絆づくりのヒントが凝縮されている日本酒の精神文化と作法》

2020年5月29日

テーマ:人間関係を良好にするマナー

コラムカテゴリ:くらし

現在地球上には200近い国がありますが、「茶」や「酒」の文化が存在しない国はないのではないでしょうか。

お茶やお酒は生活に喜びや潤いを与えてくれる人類の宝であり、共に大変長い歴史があり、語りつくせないくらいの文化があります。
日本酒文化もしかりでしょう。

また、どこの世界でも酒を通じた絆作りは古くから見られるようですが、この度の新型コロナ危機のせいで今後が心配ですね。

そこで改めて「日本酒の知識や作法」に触れておきます。

【神様とのご縁作りからスタートした日本酒の歴史】
日本ではすでに弥生時代から酒が造られていたといわれますが、日本書紀や古事記や万葉集にも日本酒の話は多くみられます。

奈良時代になると米で酒を造る方法が確立され、「造酒司(さけのつかさ)」といわれる酒を取り扱う役所も存在していたようですが、当時は主に祭礼、正月、慶事などに利用されたといわれています。

日本の神様は酒が大変お好きなのでしょうね・・・。

だから神事に日本酒は付き物で、日本酒は神様と人を繋いでくれる大きな役目を果たしてくれています。

鎌倉時代になるとそれまで宗教儀式や慶事、さらに公家や武家などの特別な飲み物だった日本酒は、一般庶民にも普及し多彩な文化の華を咲かせるとともに、人間関係を円滑にするコミュニケーションのひと役を担うことにもなります。

また日本は四季がとても豊かな国ですから、季節を愛でながら日本酒を味わう優雅な飲み方も存在します。春の「花見酒」、秋の「月見酒」「紅葉酒」、冬の「雪見酒」などは風流で格別な趣があります。

【神事と日本酒】
神様と人の絆づくりのための酒といえば「お神酒」ですが、これは神様にお供えした酒をみんなでいただくことにより、神様から霊力を授かり、契りを結ぶという意味があります。

神前結婚式の際に行われる「三三九度」や「親族固めの杯」などがいいれいですが、
三三九度の杯はまず、小さい杯を新郎⇒新婦⇒新郎、中の杯を新婦⇒新郎⇒新婦、最後に大きい杯を新郎⇒新婦⇒新郎の順でそれぞれ3回に分けて飲みます。
1回目と2回目は口を付けるだけで3回目に飲みほしますが、真似事だけでもかまいません。

また新郎⇒新婦、新婦⇒新郎、新郎⇒新婦のように行うこともあります。
339は奇数で縁起がいいとされる陰陽説の影響です。

なぜ合計9回にも分けて、時間をかけて頂くかといえば、手間暇かけることにより絆をさらに深める意味があります。
ここに人間関係の築き方のポイントがあると私は思うのですが・・・。  

ちなみに三三九度は「三献の儀」とか「夫婦杯」とも呼ばれ、本来は室町時代の武家礼法です。それが江戸時代に一般庶民にも普及し現代に至ります。

もともと日本には約束や誓いをかわす時、あるいは別れに際して「杯を交わす文化」がありますが、これは「杯をする」と表現されます。
一方「親族固めの杯」も3度に分けて飲みます。

世界の酒の起源のほとんどが果実酒ですが、日本酒は米です。
稲作の定着とともに歩んできたわけですが、神様と深い関りがある日本文化を象徴する神聖な飲み物だと思います。

だからこそ、美味しく、楽しく、美しく頂きたいものですが、新型コロナのせいで、このような文化が消えてなくなるのではととても心配しています。

今話題の「オンラインの飲み会」では味わえない文化で、次世代にも伝えたいと思うのですが・・・。

この記事を書いたプロ

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