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平松幹夫

講演会で大活躍!マナーと生きがいづくりのプロ

平松幹夫(ひらまつみきお)

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コラム

マナーうんちく話498≪うかつ謝り≫

江戸時代の日本の首都江戸は、当時100万人の人口を誇り世界一の大都市だったそうです。

そして当時は身分制度が確立しており、公家や武家は地位や経済的に恵まれ優雅に暮らせるわけですが、何ら生活保障の無い一般庶民は事情が異なります。

総人口の9割以上を占める一般庶民は、見知らぬ者同士が、常に仲良く、助け合って暮らせるように、生活の知恵を身に付ける必要が有ります。

相手に対し思いやりの心で接し、無駄な争いを避けなければいけません。
今回のテーマである「うかつ謝り」は、このような背景から生まれたものだと思います。

ところで皆さんは、満員電車の中で足を踏まれ、踏んだ人から「済みませんでした」と謝られたら、どのように対応しますか?

踏んだ方は先ず「申し訳ありません」とか「すみません」とか「すいません」と謝ると思います。

一方、踏まれた方は「こちらこそすいません」というか、「気をつけろ」と怒るタイプに分かれます。

勿論、ここで「気をつけろ」と怒ってしまったら、江戸しぐさにならないわけですが、如何でしょうか?

「こちらこそ大きな足を出してしまい失礼しました」と余裕を持って言いたいところですが、実際には、なんと答えて良いか迷いますね。

まあ、黙って頭が下げられたら、上出来だと思います。

ところが、江戸時代の庶民は、雑踏の中で足を踏まれたら、「こちらこそ失礼をしましたと」踏まれた方も謝ったそうです。

要は「踏んだ方も」「踏まれた方も」とりあえず謝り、丸く収めたわけで、これが「うかつ謝り」の真意です。

ちなみに、当時は現代のように科学も医学も発達していなくて、何かあれば神様・仏様に頼るわけですね。

従って、縁日には殆どの人が出かけるわけですが、そこで、雑踏の中で足を踏まれることは多々あったようです。

しかし、その度喧嘩していたらたまりません。
だから、踏んだ方は真っ先に謝りますが、踏まれた方も一歩下がって謙虚な態度で、「こちらこそ大きな足を前に出して失礼しました」と頭を下げ、その場を丸く収めます。

ほんの、ちょっとしたことで、大事に至るのを回避する生活の知恵ですね。
ちなみに、「うかつ」とは、自分の注意が欠如していて、うっかりしている様を言います。

足を踏まれる前に、それを察知して、素早く対応できなかった自分の非を戒めるということですね。

今は、「リスク」とか「危機管理」などという言葉が大手を振っているようですが、なにも取って付けたような言葉に依存しなくても、謙虚な態度と思いやりの心さえ備わっていたら、丸く収まるわけではないでしょうか?

当時の人は、本当に自分自身に厳しかったようですね。

しかし、「悪くもないのに、こちらが謝ったら、下手をしたら責任を取らされることになり兼ねない」と反論される人も多いと思いますが、それでハッピーになれるでしょうか?

「いじめ」や「体罰」が依然として大きな社会問題になっています。
その解決策として、「いじめ」や「体罰」を定義付けたり、カウンセラーを配置したり、警察権力に依存したりしています。

政策や法律がどうだと言う前に、「うかつ謝りの精神」を参考にした方が、より平和になると思うわけであります。
体制の維持や危機管理的要素が濃い「公家礼法」や「武家礼法」と、思いやりの心に満ちた「江戸しぐさ」には、決定的な違いが有るようですが、今でも、いじめが発覚した時の行政や学校の対応なんかを見ていると、そのように感じる事が有ります。


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