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平松幹夫

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平松幹夫(ひらまつみきお) / マナー講師

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

コラム

マナーうんちく話1853《微妙に意味合いが異なる「お目汚し」「お耳汚し」と「お口汚し」》

2019年7月3日

テーマ:人間関係を良好にするマナー

コラムカテゴリ:スクール・習い事

雨で実感できないかもしれませんが、只今二十四節気の「夏至」の頃ですから、昼が長くて夜が短い頃です。

照明器具が完備して、冷暖房も充実し、娯楽設備にも恵まれ、食べ物にも不自由しない現代生活では、別に昼が長かろうが、夜が長かろうが大した違いはないかもしれませんね。

ところで今頃のように、昼が長くて夜が短い現象を「短夜」と表現します。
これに対して、昼が短くて夜が長いことは「夜長」と表現します。

何もかも不自由していた昔は、短夜と夜長の季節では生活のリズムが大きく異なります。

恋愛しかりです。
昔は男性が夜に女性の家に伺い、逢瀬を楽しむのが一般的だったようです。

「通い婚」で、暗くなれば男性は女性の家に出向いて、明るくなってくると家を出るというのがマナーですから、短夜と夜長の時期はデートの時間が5時間前後異なります。

二人きりになれる大変貴重な時間が5時間短くなれば、恋人たちはお天道様を恨めしがるかもしれませんね。

ちなみに「短夜」という言葉は、夜の時間の短さを惜しんでつけられた名前だそうです。
だからこそ夜が短い時には、より充実した時間を過ごしたいものですね・・・。

短夜に夜長、四季と感性豊かな日本ならではの言葉です。

一方日本には昔から、相手を立て、自分は一歩下がる「謙遜の文化」が根付いています。

例えば和室で改まった挨拶をする際、手前に扇子を置くのも典型的な例です。
加えて和食の箸のセットは箸を横に置きますが、これも食材に敬意を払った形です。

言葉遣いにも表れています。
今ではあまり耳や口にすることはなくなりましたが、特に目上への人に対しては非常にへりくだった言葉を使用します。

例えば職場の上司に自分が作成した書類などに目を通してもらう時に、「お目汚し」という表現をします。

自分が作成した書類ですので、大した内容ではありませんが、わざわざ貴重な時間を割いてお目を通していただきありがとうございますという意味です。

この他自分の結婚式の時の写真や、孫の写真を相手に見てもらう時などにも使用します。

また上司に対して自分の意見を聞いてもらったり、酒の席で上手でもないカラオケを披露するときなどには「お耳汚し」という言葉を使用します。

自分の発言や自分に関する話題などを謙遜して表現する言葉ですが、「聞いていただきありがとうございます」の意味も含まれます。

お耳汚し、お目汚しは私のように年配者同士の会話にはお洒落ですが、若者同士の会話には向かないかもしれませんね。

ただ「お口汚し」は少し異なった意味合いになります。

お耳汚し、お目汚しにちなんで、お口汚しは口を汚すもの、つまり美味しくない食べ物という意味合いが強いように思うかもしれませんがニアンスが少し違います。

飲食物が余りにも少量で、決して満足していただけないという意味です。

食べ物をお裾分けする時や、ちょっとした菓子などを進める際、あるいは酒のつまみを小皿で出す時、心ばかりのお土産を渡す時などに「ほんのお口汚しですが・・・」と言いますが、これはビジネスでもプライベートでも誰もがよく使う言葉です。

いずれも日本人らしいいい方で、恐らく他国には存在しない言い方でしょう。

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