マイベストプロ岡山
平松幹夫

講演会で大活躍!マナーと生きがいづくりのプロ

平松幹夫(ひらまつみきお) / マナー講師

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

コラム

マナーうんちく話1718《大切にしたい日本人の自然観と虫の声》

2018年8月25日

テーマ:歳時記のマナー

コラムカテゴリ:スクール・習い事

二十四節気の一つ処暑の頃になると、ある程度猛暑も和らぐのが普通ですが、いまだに猛暑が続いております。

しかし季節は正直で、一生懸命秋になろうと頑張っている気がします。
この時期にお目見えする、胴がくすんだ黄色のトンボ、つまり「薄羽黄トンボ」が気持ち良さそうに飛び始め、夏の終わりを告げています。

加えて夜になると、鈴虫やコオロギなどの秋の虫が、涼しげな音を奏でてくれます。

心が安らぐ思いですが、実はこの美しい虫の音を「声」として聴けるのは、日本人とポリネシア人だけだといわれています。

食べ物も、気候風土も、文化も、宗教も異なるので別に不思議なことではないと思いますが。また能の捉え方の違いもあるでしょう。
しかし昔から自然と共生してきた、日本人独特の自然観によるものも大きいのではないでしょうか・・・。


大切にして次世代にも是非伝えたい文化だと思います。

ところでこの時期に相応しい唱歌で「虫の声」があります。

《あれ松虫が鳴いている・・・》で始まる、誰しも一度や二度は耳にしたり、口ずさんだ経験がある歌だと思いますが、この曲の中に登場する5匹の虫の名前がすべてお判りでしょうか。

先日私が主催している「バラ色未来創造大学」の講座が、たまたま《家族と地域の絆を深める年中行事の知識と相応しいマナー》だったので、その講座の中の座談会のテーマの一つに加えました。

参加者は50代から80代の男女約40人で、6つのグループに分かれて答えを出していただきました。

元幼稚園や小学校の教師、地域の世話役、農業、お花の先生など様々な顔ぶれの人たちで、比較的ものごとに精通している方たちでしたが、残念ながら正解はありませんでした。

年中行事や日常生活のマナーは、わかっているようで実はわかっていないことが多いものです。

答えは松虫、鈴虫、コオロギ、ウマオイ、くつわ虫です。


そして秋の鈴虫とよく似ている音を人工的に作り出したのが、夏の風物詩ともいえる「風鈴」ですね。

既に縄文時代には「土鈴」が存在していたとか・・・。

最も当時は風情を楽しむというより、農作物にたかる野獣を追い払ったり、邪気を払う目的のようでしたが、暮らしが豊かになるにつれ、涼しげな音を聞いて風情を味わう文化が発達してきたのでしょう。

日本独特の文化で江戸後期には「風鈴そば」も登場してきたようです。

今では風鈴の資材もガラス、木炭、陶器、鉄、木炭など多彩になり、大幅に範囲が増えましたが、この夏は風鈴の風情がマッチしないくらいの猛暑でしたね。

科学が発達したおかげで、クーラーが登場し、快適な夏の暮らしを可能にした文明の機器が、逆に温暖化を進行させ、厳しい暑さを招くとは皮肉な話です。

虫の声を再度楽しむゆとりを持ちたいものですね。
そして先人の生活の知恵も学びたいと痛感しています。

虫が鳴くのは子孫繁栄のための交尾を目的としているそうですが、今年は特に「この世に生まれたうれしさ」や「気候が落ち着き過ごしやすくなって嬉しい」という思いが込められているとも取れますね。
生きているありがたさを表現しているかもしれません。

今年は猛暑で虫も少なくなっているそうですが、いずれにせよそのような声を真摯に聞く耳を持ちたいものです。
感性とはそのようなものかもしれませんね。

この記事を書いたプロ

平松幹夫

講演会で大活躍!マナーと生きがいづくりのプロ

平松幹夫(人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾)

Share

関連するコラム

平松幹夫プロへの
お問い合わせ

マイベストプロを見た
と言うとスムーズです

お電話での
お問い合わせ
090-4573-1062

 

お問い合わせはお気軽にどうぞ

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

平松幹夫

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

担当平松幹夫(ひらまつみきお)

地図・アクセス

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ岡山
  3. 岡山のスクール・習い事
  4. 岡山のカルチャースクール
  5. 平松幹夫
  6. コラム一覧
  7. マナーうんちく話1718《大切にしたい日本人の自然観と虫の声》

© My Best Pro