マナーうんちく話553≪「和の作法」と「一回一動作」のお勧め≫
春の語源の一つに「晴れる」が「はる」になった説がありますが、空が晴れ、太陽の光が穏やかな様子を「うららか」と表現します。
色とりどりの花が咲き乱れ、時がゆったりと流れ、優しい日差しのこの時期は、同時に出会いの季節でもありますね。
そして飲み会や食事会が集中する時期でもあります。
先輩や上司や異性、あるいは堅苦しい雰囲気での食事は何となく苦手という人も多いでしょう。
しかし何事においても人間関係はとても大切です。
色々な人と臆せずに楽しく食事をすることも必要です。
また家庭や職場以外の場所で食事をしたり酒を飲んだりすることで、相手の気持ちが理解できたり人柄が解ることも多々あります。
人は一緒に酒を飲み、食事をすることで心が和むものです。
だから「ともに食事をする」ということは、「相手をより理解する意味」と「相手とより仲良くなりたいと思う」意思表示でもあるわけです。
飲み会や食事会に誘われたら、相手も仲良くしたいという気持ちを持っていると解釈して、前向きに受けて、共に飲んだり食べたりする時間を楽しんで、人間関係がよりスムーズになるように心がけて下さい。
ただそれなりの場所で飲み食いするに当たり、基本的なマナーが解っていないので心配だという人も少なくありません。
食べ物に関するマナーにはこれまで多く触れてきましたが、今回は「これくらい理解していただきたい」という「和食」「洋食」のポイントについて触れておきます。
【和食の基本知識】
私たちが普段、何気なく食している和食には、座敷での立ち居振る舞いを始め、箸の持ち方、器の扱い方にも厳格なマナーがあります。
加えて豊かな精神文化を含んでいるということを認識しておくことが大切です。
従って接待などの席においても基本的マナーを身に付けておくと、心にゆとりが出て、思いやりの気持ちを発揮することができるでしょう。
そして和食には「本膳料理」「懐石料理」「会席料理」がありますが、現在のビジネスシーンで供されるのは殆ど「会席料理」だと思っていただいたらいいでしょう。
会席料理は結婚披露宴や旅館や料亭、さらに会合などの席で出されるコース料理ですが、店によっては一度に出される場合もあります。
ただ、酒宴向きの料理ですから、最初から酒が出ます。
【和食とお絞り】
また食事がスタートするに当たり洋食では「テーブルナプキン」が用意されますが、和食では普通「お絞り」になります。
これは「手を清めるため」に出されます。
和食に込められたユニークな精神文化ですが、ほとんど知られてないと思います。従って、あくまで手をふくもので、顔や頭、テーブルなどをふかないでください。