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平松幹夫

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平松幹夫(ひらまつみきお) / マナー講師

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

コラム

マナーうんちく話973《世界環境デーとホタル狩り》

2015年6月5日

テーマ:歳時記のマナー

コラムカテゴリ:スクール・習い事

6月の事を旧暦では「水無月(みなづき)」と表現しますが、今年は既に梅雨に入り、一年の中で雨との付き合いが一番多い時節になりました。

そしてこの時期になると、蛍が明かりをともして飛び交うようになります。

蛍は水のきれいな所を好むので、環境問題のバロメーターにもなっていますが、6月は環境月間で、6月5日は「環境の日」です。

1972年6月5日からストックホルムで開催された、「国連人間環境会議」を記念して作られたわけですが、環境破壊は留まるところを知らないようですね。
自然と共生し、自然に寄り添って暮らした先人の知恵を参考にしたいものです。

ところで、梅雨時の、雨上がりの、風の無い、蒸し暑い夜のひとときに、蛍の光を求めて散策するのもこの時期ならではの楽しみです。

暗闇で蛍の放つ光を愛でることを「蛍狩り」と表現しますが、日本ならではの初夏の風物詩です。

蛍は世界中に約2000種近く存在するといわれていますが、日本人は特に蛍が好きで、万葉集にも蛍が登場するそうです。

そして江戸時代に入ると、「蛍船」と言われるようなものが登場し、風流を楽しんだり、蛍を売って商いをする人もいたとか・・・。

やがて1960年代頃から始まった高度経済成長の影響で、自然環境が破壊され、蛍にとって危機的状況に陥りました。

「これではいけない」と反省し、ホタルが生息しやすいように、再度環境を整え現在に至るわけですが、蛍狩りのマナーにも注意が必要です。

そこで今時の「蛍狩りのマナー」について触れておきます。

○蛍は儚さの代表と言われるように、成虫になってから、わずか2週間位の命です。その短い時間で一生懸命光りを放ち、子孫を残す努力をします。
だから、捕獲しないでその光景を温かく見守ってあげて下さい。

ちなみに「蛍狩り」の「狩り」は「紅葉狩り」の狩りと同じ意味で、「愛でる」と言う意味で使用されます。くれぐれも乱獲しないで下さい。

○蛍に光を浴びせないようにして下さい。
蛍は懐中電灯や車の強い光が苦手です。労わって下さい。
懐中電灯は暗闇では必要ですが、なるべく足元を照らすようにして下さい。

○周辺に民家が有れば、迷惑にならないように大声を張り上げたりしないで下さい。また、ゴミの処理も丁寧にして下さい。

私たちの幼い頃には、網や箒(ほうき)などで蛍をとって、虫籠に入れて楽しみましたが、今はそのような光景をあまり見かけなくなりました。
蛍狩りの環境が大きく変わったということです。

環境汚染で一時絶滅の危機に陥った蛍を復活させようと、日本の至る所で、環境保全運動が行われ、地域住民の地道な努力で蛍が蘇った地域が多々あります。

そのような場所での蛍狩りは、そこで観賞するのがマナーです。
そこで光を放つ蛍も、そこに生存しているから意味があるわけです。

万葉や江戸の頃は、カメラは有りません。
だから、蛍を始め、鈴虫やコオロギなどの虫を愛でるために「虫捕り」という文化が発達しました。

しかし自然の環境がこれだけ大きく変化し、加えてカメラ機能付きの携帯電話やスマートホーンを、誰でも持てる時代になった今は、「虫捕り」ではなく、カメラで撮るのもお勧めです。

こうすれば、蛍も安心して光を放ち、交尾が出来、子孫を残せそうですね。

経済的豊かさや便利さを追い求めるのもいいですが、人にも、自然にも、生き物にも素敵なマナーを発揮したいものです。

蛍を愛でながら、環境にも関心を持ち続けなくてはいけませんね。

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