マナーうんちく話569≪泥より出でて、泥に染まらず≫
3月3日は「桃の節句」、雛祭りをお楽しみの方も多いと思います。
毎年、雛人形をしまう時期についてのご質問をよく頂くので、今回はそれに触れておきます。
折角高いお金を出して購入したものだから、少しでも長く飾っておきたいと言う方が多いようです。
そのお気持ちは良く解ります。
色々な考え方があってしかりだと思いますが、参考にして頂ければ幸いです。
飾る時期に縁起を担がれたら、収納する時期もこだわる事をお勧めします。
物事にはけじめが大切です。
桃の節句が過ぎたら、お雛様をしまうのは、早いほど良いでしょう。
「お祭り気分は程々に」ということです。
このコラムでも何度も触れましたが、日本には5つの節句があります。
お雛様は5節句の一つで「上巳(じょうし)の節句」です。
上巳の節句は「桃の節句」とも言われます。
そして、節句とは、伝統的な年中行事を行う、季節の節目になる日のことです。
従って、雛人形は季節の節目に飾るものと認識してください。
つまり、雛飾りは「けじめ」が大切だと言うことです。
さらにつけ加えると、3月3日までは価値があるが、過ぎたら価値が失せると言うことですね・・・。
また、雛祭りは家族でお祝いするのがお勧めですが、「お祭り気分は程々にしないといけませんよ」と言う戒めもあります。
それに伴い、「雛飾りを遅くしまうと娘の婚期が遅れる」といわれるようになったのでしょうね。
このように、子どもをキチンと躾けることも雛祭りの大切な意義です。
ライフスタイルや結婚観が大きく異なり、晩婚化や晩産化のせいで少子化が今後の日本の未来に大きく影響しそうですが、母親が娘の幸せを願う気持ちは昔も今も変わりません。
人形の豪華さを競うより、雛飾りの意味や意義をキチンと子どもに伝え、家族揃って結婚の在り方なんかを話すのもいいモノだと思うのですが・・・。
そういえば、最近同性婚が話題になってきましたが、世界の結婚観も今後大きく変わりそうですね・・・。