マナーうんちく話799《上品で美しい食べ方⑧「会席料理」(蒸し物・酢の物》》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:和食テーブルマナー

料理は先ず火を使用することから始まりますが、水を加熱して、発生した湯気を利用して加熱する調理が蒸し料理です。

中国や日本では昔から、杉やヒノキや竹などで作った「せいろ」で食材を蒸してきたわけですね。

そして蒸し物でおなじみの料理は「茶碗蒸し」「土瓶蒸し」「かぶら蒸し」などです。
素材を蒸しあげた料理ですが、仕上げに供される場合が多いようです。

ちなみに、食欲の秋を控え、松茸の土瓶蒸しを思い浮かべる人も多いと思いますが、それに関しては《マナーうんちく話606「松茸と土瓶蒸しの食べ方」》をご覧ください。

ここでは蒸し物の代表である「茶碗蒸し」に触れておきます。
茶碗蒸しは今から200年前に登場されたと言われていますが、どれが茶碗蒸しの起源か明確な根拠は不明です。

茶碗蒸しの頂き方ですが、蒸し料理は兎に角熱いです。
従って先ず熱さを確認して下さい。
手に持てるか、持てないか等です。

そして蓋つきで出される場合が多いので蓋を取る時には、水滴がたれないように内側で止めて、水けを切って下さい。
蓋はお膳の外に両手で置きます。
複数の蓋があっても重ねないでくださいね。

箸で食べ難いので、最近はスプン(小さじ)がつく場合が多いですが、スプンで器をなぞるように円を描きます。
勿論、箸でも頂くことはできますので、箸で頂く場合もこの方法を応用して下さい。

具を食べ終わったら、卵はかき混ぜてもOKです。
昔は、茶碗蒸しは吸い物の代わりに供されていたので、最後の汁は口を付けていただいても構いません。

あるいはスプン(小さじ)ですくって、懐紙を添えて頂く方法もあります。
熱くなければ器を持って頂いても構いません。
この際、両手で器を取って左手に乗せます。次にスプン(小さじ)を取ります。

「酢の物」は土佐酢や三杯酢で、野菜や海藻、あるいは海老等の魚介類を和えたものです。

綺麗に盛られた酢のものは目にも鮮やかで、この料理を頂くと急に口あたりがさっぱりしますので、お口直しの意味もあります。

小鉢で上品に盛られている場合が多いので、目で味わい、器を手に持って、品良く食べて下さい。
往々にして、二口から三口で頂ける場合が多いですね。

酢の物で食べ難い物は、「モズク」や「ジュンサイ」ですが、これは箸ですくって食べても良いとされる、例外の料理です。
最後の汁は口を付けてもOKです。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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