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平松幹夫

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平松幹夫(ひらまつみきお) / マナー講師

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

コラム

マナーうんちく話766《日本の夏とソーメン》

2014年7月7日

テーマ:歳時記のマナー

コラムカテゴリ:スクール・習い事

前回七夕のお話をしましたが、7月7日は二十四節季の一つ「小暑」でした。
今年は大型台風の影響で暑さは感じられませんが、本来なら夏の風が熱気を運んで来て、いよいよ暑さが増して来る頃です。

そこで今のように冷暖房が完備していなかった昔の人は、「暑さしのぎ」に色々と衣食住において創意工夫を凝らしました。

6月は「衣替え」ですが、7月になると素材まで変えてしまいます。
綿や絹から麻の変わるわけですね。

デザインや形や色で衣服を変えるのも良いですが、素材ごと丸ごと変えるとは、昔の人の方が贅沢だったのかもしれませんね。
くしろ、今のクールビズやスーパークールビズよりお洒落感が漂うような気がしますが如何でしょうか?

また、衣服もそうですが、7月になると建具等も衣更えを行います。
障子やふすまを葦戸(よしど)に変え、すだれを掛けて風通しを良くします。
四季が明確に分かれている日本ならではのユニークな様変わりです。

そして夏といえばと、日本人ならだれしもが口にするのがソーメンではないでしょうか?

中国伝来の「索餅(さくぺい)」が起源だとする説がありますが、中国では「七夕に索餅を食すと病気にならない」と言われていたので、宮中でもそれに倣い、七夕にお供えしたと言われています。

御中元に、今なおソーメンが根強い人気を保っている原因が、どうやらこの辺にあるようですね。

流しソーメンを始めソーメンは夏の風物詩ですが、地方色豊かで、多種多様な食べ方・供し方がありますが、これと言った決まりは有りません。

ガラスの器に入れ、氷と水を張って出す場合が多いようですが、ソーメンはうどんやそばと異なり、水に付けてもふやけない性質があるからです。

ちなみに、麺には、手で細く伸ばして作るものと、麺棒で薄く延ばして包丁で切るものがありますが、手延べそうめんは前者の代表格です。

日本では、1800年頃になると江戸ッ子の間で「粋」という美意識が生まれ、独特の文化が生まれ、やがてそれが食文化にも波及しました。

蕎麦通が好んでうんちくを述べる「蕎麦の粋な食べ方」もこの頃に生まれたのでしょうね。

そして実は、ソーメンの食べ方にも、室町時代から女性に限り細かな作法が存在していたようです。

それが形を変え江戸時代まで続き、「女重宝記」には、女性のたしなみとして細かな決まり事が記載されています。

女重宝記は江戸時代に発刊された教訓書です。
女性として日常生活に必要な色々な知識を項目別に集めた、一種の生活総合百科です。

例えば、女性としての作法や心得、言葉遣い、学ぶべき諸芸、着物の選び方やファッションやメイクなどがあります。

当時は男性優位の社会ですから「男性としてはかくあるべし」「女性としてはかくあるべし」という形にはまった社会通念が存在していたようです。

さらに結婚式の作法を始め、その際の料理の並べ方や作法等が、細かにイラストを交え書かれており、時代を偲ばせます。

ソーメンの食べ方しかりですが、本当に今から思えば窮屈だったかもしれませんね。

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