マナーうんちく話641≪喧嘩にもマナーを≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:人間関係を良好にするマナー

野や山には葉が無くなった木々が目立つようになり、空には暗くて重苦るしい雲が立ち込め、如何にも冬のイメージが強くなってきた感があります。

今年の夏は、「夏日」や「真夏日」と呼ばれる日が多かったですが、冬にも「冬日」「真冬日」と呼ばれるものがあります。今年はどんな冬になるのでしょうね。

また、初冬にかけてよくみられる天気で、突然雨が降ったかと思うと、直ぐに晴れて、また青空が広がる「時雨」があります。

昔の人は、時雨は風流があるので大変好んだと言われます。
だから、その降り方や時間帯に寄り、それに相応しい名前を付けました。

「片時雨」は一か所だけに降る時雨で、「横時雨」は横殴りの雨に見舞われることです。加えて、「朝時雨」や「夕時雨」という名前も有ります。

空が泣いたと思うと、すぐに元に戻り笑顔になる。
まるで幼い子供みたいです。

ところで、皆さんは喧嘩をよくするタイプですか?しないタイプですか?
喧嘩しても、時雨のようにありたいものですね。

喧嘩は家庭や学校や職場では日常茶飯事ですが、悪いとは思いません。
喧嘩をすることにより、より仲が良くなることも有ります。

例えば、恋人同士ならあまり喧嘩はしませんが、恋が恋愛に発展してくると、しばし喧嘩をするようになります。多いにしたらいいと思います。
しかし、喧嘩にも素敵なマナーを発揮することが大切です。

例えば昔の武士は大変礼節を重んじたので、喧嘩する時にも常に礼儀をわきまえております。
果たし状を書いたり、名前を名乗ったり、飛び道具を控えたり等など・・。
恐らく西洋の騎士もそうであったと思います。

現代では価値観の多様化と共に喧嘩の内容も多種多様になりましたが、だからこそ喧嘩をしなければならなくなった時には是非守って頂きたい事があります。

○興奮して大きな声を張り上げない。つまり不必要に感情的になるな!と言うことです。頭に血が上ったら一呼吸置いて、深呼吸するのもお勧めです。
加えて、相手が興奮してきたら冷静になる時間を与えて下さい。

○大切な人、例えば親友や家族や伴侶と喧嘩する時には、喧嘩に勝とうと思わないことです。つまり大切な人との喧嘩は負けて下さい。
「負けるが勝ち」です。

○昔の古い話を、ねちねちしないでください。口は災いのもとです。

○喧嘩は人前でしないで下さい。
特にグループで仲良く飲んでいる時等に喧嘩をすれば、周囲の多くの人に迷惑がかかります。他人をまきこまないことです。

○そして何より大切な事は、ずるずると長引かせないことです。
そのためには、自ら「ごめんなさい!」と言う勇気を持つことです。
最近は高等教育を受けた人が多いせいか、下手なプライドを持ち自らの非を認めたがらない人や、頭を下げたくないような人が増えた気がします。
自ら謝る事が出来ない人は、喧嘩をしないことです。
要は、喧嘩したら仲直りすることです。

「雨降って地固まる」という諺があります。
互いに言いたい事を言うことは大切ですが、この際、自分より違った考えを持っている人がいる事を常に自覚して下さい。そして自分の言い分が必ずしも正しいとは限りません。相手の言い分に耳を傾け、それを理解し、尊重する心掛けが大切です。

マナーを発揮しながら喧嘩をして、相手を理解すると共に、相手にも理解してもらい、納得して仲直りする。だから絆が深まるわけです。

また、「売り言葉」に「買言葉」と言われます。
喧嘩しながら発した言葉は互いに本心ではないことが多いです。
だから、おおらかになることも大切です。
マナーの達人が喧嘩する時には、喧嘩する前に、仲直りの策を練ります。




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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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