マナーうんちく話483≪現代の上座と下座②「和室編」≫
急に寒くなって参りました。
こんな時、会社や他家を訪問して、暖かいお茶(コーヒー・紅茶)を出されたら、思わずホットした気分になります。
ところで、お茶を出された時、あなたは、どうしますか?
①すぐに飲む。
②しばらくして飲む。
③飲まない。
圧倒的に多いのが①と②のタイプで、③のタイプの人は、ごく少数のように感じます。
それでは、あなたが来客に、真心込めてお茶を出したら、上記の内、どのタイプに好感が持てますか?
お茶を出す側は、客人に少しでも美味しいお茶をと思って、温度にまでこだわります。
玉露や煎茶は沸騰して少しさましてから、また番茶であれば沸騰したてのお湯を注いでお茶を用意します。
それぞれ一番美味しいと感じるのは、入れたてのお茶です。
コーヒー、紅茶しかりです。
従って、出されたお茶は、遠慮しないで、直ぐに飲むのがお勧めです。
その際、「ありがとうございます」&「頂きます」の言葉を添えて口をつけて下さい。
「ありがとうございます」は、お茶でもてなして頂いたことに対する感謝の言葉です。
「いただきます」は、お茶に対する感謝の言葉です。
素直に、この二つの言葉を発して美味しく飲めば好感を持たれます。
一番困るのは、下手に遠慮して、口をつけてもらえない場合です。
お茶を出してから、「どうぞお構いなく」と言われても、出した方は嬉しく有りません。
そうは言っても、大切な商談や、目上の人のところでは、なかなか思うように飲めない場合も有ります。
しかし、ここで遠慮して飲まなかったら、お茶を出した方は嬉しく有りません。
だから、心と心が通わなくなります。
確かに、訪問の目的は、お茶を飲みに行っているわけではありません。
心のやり取りをしに行っています。
その際、お茶を出していただいたら、相手も心のやり取りを希望されていると好意的に受け取り、相手の気持ちを素直に受けて下さい。
但し、相手との交流を避けたい時には遠慮されたらいいと思います。
また、「日本茶に紅茶にコーヒー、どれが良いですか?」と聞かれたら、希望をキチンと伝えて下さい。
この時も、先ず「ありがとうございます」、「それではお言葉に甘えてコーヒーをお願いいたします」等と素直に答えていただいたらいいですね。
さらに、茶と共に菓子まで付いたら、余程の事がない限り菓子も頂いて下さい。
茶は飲んだが、菓子は残したのでは、感心しません。
糖尿病等の治療で受け入れない時には、無理しないでお断りして下さい。
そして、頂いたら「ご馳走様でした」、「美味しかったです」とお礼の言葉を添えます。
要約すると、茶菓を出されたら、直ぐに「ありがとうございます」、「頂きます」と言葉を添えて素直に頂き、終えたら「ご馳走様でした」、「美味しかったです」の言葉で締めくくれば、完璧だと思います。
遠慮するのがマナーではなく、遠慮しないで、相手の好意を素直に受け入れるのがマナーです。ただし職務上、決まりが有る場合はそれに従って下さい。
その時は、一言お断りの言葉を添えて下さい。