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平松幹夫(ひらまつみきお) / マナー講師

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マナーうんちく話183≪邪気と万病を払う七草粥≫

2012年1月6日 公開 / 2012年4月16日更新

テーマ:歳時記のマナー

コラムカテゴリ:スクール・習い事

暦通りの寒い日になりました。
1月6日は二十四節季の一つ「小寒」。
本格的な寒さを迎えたということです。
年賀状を出しそびれた方は「寒中見舞い」をお勧めします。

ところで、正月以来のご馳走で胃の調子を崩されている方も多いのではと思いますが、そもそも、今のような豪華な正月料理になったのは江戸末期だと言われております。それまでは贅沢な料理とはほど遠く、むしろ日常の食事より質素だったそうですから驚きですね。

具体的には、婚礼などの祝いの席で供されていた「雑煮」に、祝い肴(ざかな)三種(黒豆・田作り・数の子)だったそうです。この頃の正月料理の位置づけが、「質素・倹約」「家族団欒」に有ったことが伺える内容です。

それが明治時代になり、おせち料理が商品として商いをされるようになり、次第に豪華さを増し、昭和30年過ぎにはついに、デパートで販売されるようになりました。
さらに経済成長に伴い、食生活も向上し、飽食の国になり、料理の本・料理番組等でも盛んに取り上げられ、豪華さに磨きがかかり現在に至っています。

そして、贅沢な正月料理から胃を休めようとして、1月7日の朝に「七草がゆ」を食べるのは御承知の通りです。ただこの習慣は意外に古く、すでに平安時代には存在しており、「延喜式」にも掲載されております。
また「七草がゆ」を食べる目的も胃を休めると言うより、邪気を払い万病を寄せ付けないためにあったようです。

この頃は、内容が今とは若干異なっており、米・麦・粟・きび・ひえの5種の穀類に、ゴマと小豆(あずき)だったそうです。ゴマと小豆の代わりに二種の若菜という説もあります。それが次第に野菜や野草を7種類入れるようになり、江戸時代にはこのスタイルが武士や庶民の間で定着し、江戸幕府の公式行事に取り入れています。


もともと、「七草がゆ」は、「7歳の子供が摘めば縁起がいい」とか、「7軒の家から粥をもらえば縁起がいい」等と言われており、かなりの縁起担ぎのように思われますが、お正月にご馳走を食べ過ぎ、疲れた胃袋を休めるとともに、冬場に不足しがちなビタミン類等を補うための身体へのマナーです。

基本的には、せり・なずな(ペンペン草)・ごぎょう(母子草)・はこべら・ほとけの座・すずな(蕪)・すずしろ(大根)の7種で作ります。今はこの時期になるとセットで販売されていますので簡単に手に入りますが、大根や蕪の葉に、三つ葉、わけぎ、小松菜等でも代用できます。いずれも洗って、良く絞り、水気をしっかり取り、細かく切ってお粥に入れるのがポイントです。

ちなみに、通常「七草」と言えば「秋の七草」、すなわち、はぎ・おみなえし・おばな・ききょう・なでしこ・ふじばかま・くずを指します。これらは儀式として使用されたり、食用にはされず、眺めて楽しみます。ただこれらの七草、全て生薬として用いられています。
先人の知恵には甚だ感心させられますね。

いずれにせよ、「七草がゆ」は、1000年以上も前から、殆ど原形をとどめたまま今に継承されている伝統行事です。朝が無理でしたら夜に、家族や大切な人と共に、ウンチク等交えながらぜひお楽しみください。
加えて、日本は世界一「飽食の国」と皮肉めいて言われている現状下にあって、暴飲暴食を戒めるとともに、賢い食生活を心掛ける一年にしたいものです。

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