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平松幹夫(ひらまつみきお) / マナー講師

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コラム

マナーうんちく話27≪赤穂浪士討ち入りとマナー≫

2010年12月10日 公開 / 2012年4月20日更新

テーマ:歳時記のマナー

コラムカテゴリ:スクール・習い事


マナーうんちく話27《赤穂浪士討ち入りとマナー》

7日は24節季の一つ「大雪」でした。「晴れの国」岡山でも雪便りが聞こえてきて、冬将軍がやって来た感じですね。

そしてこの時期になると話題になるのがお馴染みの「忠臣蔵」。江戸時代に起きた元禄赤穂事件を題材にしたストーリーです。舞台、映画、小説、テレビなどこれだけ取り上げられた作品は他にはなく、主役の大石内蔵助を演じることは、俳優として最高の誉れでした。

概要は次の通りです。
元禄14年、江戸城内「松の廊下」において、赤穂藩主・浅野内匠頭が吉良上野介に突然切りかかり怪我を負わす。このことが将軍・徳川綱吉の逆鱗に触れ、浅野内匠頭は切腹、さらに赤穂藩はお取りつぶし。しかし吉良上野介はおとがめなし。

この裁きに対し、赤穂藩家老・大石内蔵助を始め赤穂藩士は激怒。お家断絶になったためお城を引き渡す時は何ら抵抗しなかったものの、それから密かに綿密な仇討計画をたて、苦労に苦労を重ねてついに、元碌15年12月14日に47人の赤穂浪士一行が吉良邸に押し入り、見事仇討ちを成し遂げ、主君に忠誠を尽くしたという、日本人の持つ正義感、忠誠心をくすぐる美しい物語です。
この物語、部下と上司のチームワークが最高ですね・・・

今日のテーマは、この事件の顛末はともかくとして、松の廊下で、浅野氏が吉良氏に切りつけた原因は「礼儀・作法に関することだった」ということです。


徳川幕府は、元禄14年の正月に朝廷から勅使を迎えることになっていました。
その饗応係を命じられたのが浅野氏でした。
饗応というのは、私もホテルに最初に入社した時の配属先が饗応部・饗応課だったのでよく理解していますが、早い話飲食をもてなす接待係です。ただ当時天皇の使者(勅使)を饗応するということは想像を絶する大変なことのようでした。全てにおいて大変堅苦しい礼式が伴い、しかも徳川幕府は徹底した形式主義だったので、今の会社関係の接待係とはわけが違ったようです
多分、この場合は単なる武家礼法のみならず公家礼法までが要求されたのではと思います。

しかし、高貴な公家の人を上気分にするように上手にもてなせば、大名として最高に名誉なことでもありました。逆に気分を損なえば腹を切らねばならないということです。
今流で言えば、この上ないハイリターン、ハイリスクですね。

結果は御承知の通り、接待するに当たり礼儀・作法に失態があり、大名としての面目丸つぶれになったということです。

その失態の原因は、吉良氏の教え方が悪かったせいだと浅野氏が判断し、その復讐のために、松の廊下で切りつけたわけですね。

真相は明確ではないですが、「教え方が悪かった理由」としては諸説あります。主なものは、
①赤穂藩の塩の素晴らしい製法技術を吉良氏が聞いたけど、浅野氏が教えなかったから。
②教えを被るに当たっては当然授業料が必要になるが、浅野氏がそれをケチって相場通りの謝礼金を出さなかったから、丁寧に教えてもらえなかった。

最後に教えを被る相手がなぜ吉良氏だったかといいますと、吉良家は、儀式、行事、制度、法令、慣習、風俗、官職等の「有職故実(ゆうそくこじつ)」に精通した高家(大名・旗本といった家の格式の一種)だったからです。
ちなみに高家の仕事は、今の外務省の儀典局職員、宮内庁の式部官のような仕事です。


今はそうでもありませんが、つい10年くらい前までは、師走に放送されるテレビの大型ドラマには必ずと言っていいほど忠臣蔵が登場していました。記憶に新しい方も多いと思います。そしてピークに達する12月14日は、視聴率が50%に達したこともあるほどの日本人にとってなじみの深い物語ですね。

その赤穂事件のそもそもの発端は、「礼儀・作法」であったということを御理解いただけましたでしょうか?

改めて、人をもてなしたり、キチンと挨拶をしたり、立ち居振る舞いに気を配ったり、姿勢を正して食事をしたりすることの大切さをかみしめたいものです。

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