マナーうんちく話462≪洋室でのマナー①「ドアの開閉・挨拶等」≫
マナーうんちく話22《「客」としてのマナー》
世の中には、お金持ちの人、賢い人、社会的地位の高い人、美しい人等は沢山います。
しかし、お金持ちでもけち臭い人、賢い人でも冷たい人、美しい人でも下品な人等も多く存在します。
例えば、その人がそこにいるだけで、場が温かくなったり、盛り上がったり、癒されたりする、そんな素敵なお客様に、33年間のホテルでの接客の仕事を通じ出会いました。
感じが良く、マナーの良いお客さんはどこでも、誰にでも好かれます。
「客」になった時にこそマナーが大切です。
どんなにお金を使っていただいても、マナーの悪い客は嫌われると思います。
バブルで好景気の頃、フレンチレストランで勤務していました。
その頃、「一番いいステーキ」とか、「一番高いワイン」というオーダーを受けました。
高ければいいというお客さんに来店して頂き、「とにかく一番高いもの」といわれても困ります。高いものを注文したのだから、「ワシは上客」だと思われても困ります。
本当にいい客とは、キチンとマナーをわきまえて、店の人に好まれる立ち居振る舞いができる人ではないでしょうか。
「お客様は神様です」とは、南春夫という日本を代表する演歌歌手だった人の言葉です。
この意味は、客だったら、威張っても、何をしてもよいということではありません。
サービスを提供する側は、「神様に提供するのだから心をこめて」という意味と、「お金のため」という意味があります。そして、サービスを受ける側は、「キチンとマナーをわきまえて接する」ということだと思います。
「モノを売る側」と、「モノを買う側」には基本的には上下関係は存在しません。
対等です。
つまり、あるサービスを「提供する側」にも、「受ける側」にも、「守るべきルール」が存在するということなのです。これがすなわち「文化」だと思います。
平たく言えば、サービスを提供する側と受ける側が、互いにハッピーになることです。
そのためにマナーの存在があるわけです。
2005年秋に「晴れの国岡山国体」が、そして先日まで「あっ晴れおかやま国民文化祭」が岡山県で開催されました。
ともに、全国から集うその道の人たちの最高の晴れ舞台なので、もてなしをする側はとても神経を使います。
でも本当はもてなしを受ける側もそれなりのマナーを発揮する必要があります。ここが大切なのですが、日本人はこの部分に関しては比較的鈍感な感じがします。
新幹線で東京に行きます。姫路辺りで乗務員(車掌)が検札に来ます。切符を出して検札を受けたら車掌は「ありがとうございました」といって切符を渡してくれます。
この切符を受け取って、あなたは車掌に、「ありがとうございます」と言えますか?
スーパーマーケットに買い物に行きました。
レジで支払いをしたら、レジ係りは「ありがとうございました」とお礼を述べてくれます。この時、あなたはレジ係りに「ありがとうございます」と言えますか?
喫茶店に行きました。
ウエイトレスが水とメニューを持ってきてくれました。
コーヒーをオーダーしたい時、あなたはウエイトレスに向かって「コーヒー」と言いますか、「コーヒーをお願いします」と言いますか?
コーヒーを運んできてもらって、ウエイトレスに「ありがとう」と言えますか?
この「ありがとう」はとても大切です。
こんな大切なことを日本では、家庭でも、学校でも、職場でも教えてくれません。
お金を支払う時こそ、その人の品格が現れます。
ぜひ実行に移していただきたいマナーです。