研究計画書を書くまでの下準備プロセス
本日18時から「なかなか他人に聞けない研究計画書の疑問ー塾長があなたの疑問にお答えします」を開催します。すでにいくつか質問をいただいていますので、まずそれにお答えするところから始めます。ただいまパワポを作っています。本日は直接聞いていただいて結構ですので、是非何でも聞いていただければと思います。
全体像のイメージ作り
私の持論かもしれませんが、「研究計画は料理のレシピと同じ」です。実際、理系ではよく「レシピ」と言っています。レシピは例えばハンバーグでもカレーでもどんな料理になるかの全体像のイメージはできていると思います。ハンバーグを知らない人がハンバーグのレシピを作ることは不可能ではありませんが、なんでわざわざ知らないものを作るのか、から考える必要がありますし、やはり一定かそれ以上の知識が必要です。
研究をするとき、多くの人はよく「切り口」という言い方を使います。切り口というからには、切る対象が必要です。魚の切り身と言っても魚本体がなければ切り身になりません。だから、切り口という言葉を使うには、実は全体像の理解が先にあるということになります。鯛など誰でも知っている魚であれば、切り身だけ見れば、わかる人はわかるでしょうが、例えば、ヒラメとカレイの切り身だけ並べて、一目で区別できる人は只者ではありません。つまり全体像をイメージ化できるもの以外は切り身はできないということになります。だから指導する側は安易に切り口と言っても伝わらない可能性があるということを想定しておく必要があります。
全体像を描く
研究において全体像を描けるという能力は必須です。しかし、研究者といえども、特に現代は情報が多すぎて、どんな分野であっても明確な全体像を描くのは容易ではありません。例えば、仏教学でシルクロード研究に関心を持った場合、ユーラシア大陸全体を見渡す目が必要です。まず、インドで生まれ、北上、西側のガンダーラを通って、(ヒマラヤ山脈があるから通らざるを得ず)中央アジアに出て、東と西の選択肢ができて、おそらく両方に広がったのでしょうが、歴史的には東行きしか残っておらず、中国、朝鮮半島を経て日本に届くのが仏教発生後約千年後のことです。千年は重いもので、その間の仏教の変容、数え切れない国家の盛衰、それに振り回された民衆と振り回した人間の思惑、一方で一切衆生の利益安楽、などという壮大な発想、そんな流れで生まれた人々の願いと祈り(別物です)。
こんなものではありませんが、全体像というのはこういったものを全部飲み込んでいかなければなりません。その上で自分の描ける最大の全体像を描くところから始めるのです。その上で自分なりの切り身を作るのですが、上から俯瞰できると、全体像が見渡せるようになり、見渡せるようになると、今自分がどこに立っているかがわかるようになってきます。自分がどこに立っているかがわかると、マップが見えるようになり、次に何をすれば良いかが見えるようになります。そうなると、できることとできないことが見えるようになり、できることしかできないことが理解できます。
今日は時間があれば少しこの全体像と切り身の話をしたいと思っています。
***************************
公式ホームページ
大学院・大学編入受験専門塾 京都コムニタス
KC看護アカデミア
心理職大全
KCポータル
公認心理師試験対策講座
自分磨きのための仏教
龍谷ミュージアム