理解するとは
先日、ジーベックさん主催の大学編入のフェアに参加して、ワンポイントセミナーをさせていただきました。その後、数名からいろいろな質問を受けました。そこで言われたのは、セミナーに来られているある大学の方から(先生かどうかはわかりません)、とにかく過去問をしっかりやるように言われたとのことでした。で、過去問をやっていれば受かるのですか?と聞かれました。「その人が受かると言ったんですか?」と聞いたら、「倍率が高いから難しいと言われました」とのこと。質問の答えになっていないように思いますが、私たちがよく受ける質問にも過去問関連のものがあります。結論から言えば、大学院受験や編入受験は、過去問だけしていても合格できるわけではありません。私が過去問について常に言っていることは、「過去問は過去問であって、現在問でも未来問でもない」ということと「ある意味最もでにくい問題」ということです。過去問を重視すべきは大学受験です。もちろん、過去問を見ることに意味はあります。しかし、大学院や編入受験において、出題傾向と対策はそれほど重要な問題ではありません。例えば、2012年度の問題を捕まえて●●の問題が出ている。去年も出ている。従ってこの大学院はこの問題が出やすい、とはならないのです。むしろ、もう出ない可能性が高いと考える方が妥当なのです。これも一つの過去問との向き合い方です。過去に出たものをむしろ回避することも重要な視点です。
大学院入試や編入入試は、大学入試商品ではありません。よって大学側としてもあまり傾向など示す必要などないのです。もちろん問題を作る先生によって、多少の傾向は出ることはありますが、あまりあてにはできません。それは問題傾向ではなく、先生個人の傾向だからです。先生は、その傾向に一切責任を持つ必要はありませんから、傾向を見いだせたとしても、たまたまであることの方が多いのです。
それでは過去問はどう使うかという問題になりますが、基本的には出題形式は、同じ形になることが多いです。だから、例えば全訳形式の大学と、部分訳形式の大学の過去問に分類して、似た形式のものを解くという方法は間違っていないと思います。例えば、臨床心理士指定大学院であれば、帝塚山大学、追手門学院大学は、英語の形式は同じです。全部訳を作って損はありません。よく、臨床心理士指定大学院で、あの学校はユングしかでないとか、精神分析ばかり出るとかいったうわさが出ますが、あまり気にしない方が得策です。京都文教大学に出講に行っていますが、別にユング関係の問題ばかり出るわけではありません。特に英語の場合は、専門的なことよりも、通常の英語がしっかり読める方が重要ですので、英語の訓練として過去問を使うことは、うまく使えば、有効なツールになると言えます。
また、心理学専門も過去問は、各大学の先生が基礎と考えるカテゴリーを出したものの集積とも言えます。全国の臨床心理士指定大学院の問題を集めて、どこの大学でも出るトピックを知るならばとても良質の問題集ができます。
過去問は、やるなら受験校だけではなく、できるだけ多くの大学のものに触れておくのが得策です。
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