理解するとは

井上博文

井上博文

テーマ:確実に心理系大学院に合格する勉強方法

私たちは大学受験勉強至上主義教育を受けてきましたので、独特の(ろくでもない・むしろ将来何の役にもたたない)勉強観を持っています。「詰め込み教育の否定、さもなくば肯定」あるいは「歴史は暗記科目」はたまた「暗記ではなくて自分で考えられる教育」「興味、関心をかきたてる教育」などなど、いろいろありますが、正解はありません。なんとなく、「絵に描いた餅の絵を描いている人の絵」って感じで、どこにもリアリティがないような気がしてなりません。教育の基本は、教育を受ける側の理解にあると思うのですが、いつの間にか、教育の提供側が、指導要領というマニュアルの演目をこなすように、時間をやりすごすことを教育と言うようになったところにこの国の悲劇があります。これはどうしようもありませんので、これではよくないと思う親は、塾やら私立やら医学部やらと、「至上」を設定して、通常教育を見限っていきます。

今、京都コムニタスでは新しい塾生を迎えつつ次の入試に向けた授業が行われつつあります。必修の授業も基礎編を行っています。基礎とは最大情報量のことを指し、後に使える情報を搭載していくための土台になるものです。そのために必要なこととして、論理的に考える能力を習得しておく必要があります。考えることと理解することは関係性が強く、考えない人は理解も乏しいと言えるでしょう。必修でいつも言っていることは、理解と知識についてです。論理的に考えようという意識を持ったならば、次には必ず考える材料が必要だということに気づくようになります。何の材料もなく考えることは難しいということが理解できれば、次は材料探しをします。どんな材料が欲しいと思うかによって、自分の専門分野が変わってきます。専門が定まってくれば、そのために必要な能力を習得する必要があるかをイメージします。例えば、特殊な言語が読めなければならなければそれを読む訓練を積みますし、自分の欲しい情報が危険地域にしかないならば、命を省みずその地に足を運ぶということもよくあることです。今ウクライナに行っているジャーナリストはたくさんいるでしょう。

理解と言っても多くの種類や段階がありますが、基本的には、自分の中で偽りなく「わかった」と言えれば良いと思います。では、「わかった」とはどのような状態を指すかと言うと、「点と点とが線で繋がった状態」と言えます。では、どうすれば点と点とが繋がるのかと言うと、三種類あります。「AはBに似ている」と考えること、「AはBと同じ」と考えること、「AはBと違う」と考えることです。どれからでも構いませんが、ストライクゾーンが広いのは「似ている」ということだと思います。同じと違うは、それなりにハードルが高く、一定の観察眼と知識を要します。しかし、似ているという認識を持つのは、例えば、色が似ている、形が似ていると言えばよく、それが同一である必要は必ずしもありません。例えば、仏像の横にヘラクレスがいたとします。実際にヘラクレスであるかどうか知識がないとわかりませんが、ある程度の知識で、「ヘラクレスみたいだ」と認識することは可能です。そこを入り口として、ヘラクレスの知識を入れると、それがヘラクレスであるか、違うかの検証ができます。検証ができると、さらに深い理解ができるのです。この作業の癖をつけるだけでかなり理解力は上がります。線が増えたということですから、ネットワークができることになります。ネットの網目が細かければ細かいほど、たくさんの知識を獲得することができます。

最終的にはそこまでできるようになることが理想ですが、誰も最初からそれができるわけではありませんし、訓練が必要です。今ウクライナに気合いと使命感だけで入れば、本当に命を落としてしまいかねません。故に知識が必要になるのです。知識は自分を守ってくれるものであると同時に、その地に足を運ばせる勇気を与えてくれるものでもあり、かつ戦略を授けてくれるもの
でもあるのです。知識を得るには、様々な理解が必要です。今、よく言われる理解は、「異なるものに対する理解」です。論理的思考は基本的に人間がするものですが、人間と動物の決定的な違いは、平和状態を人為的に作れることです。人工的に争いごとを収束することができるようになったのです。だから民族や言葉が違えども共存できるようになったのです。
学んで身につけておくべきはこのあたりと言えます。


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井上博文
専門家

井上博文(塾講師)

株式会社コムニタス

塾長以下、スタッフが、全ての生徒の状態を正確に把握している。生徒をよく観察し、成長度合、どのような不安や悩みを抱えているか、をしっかりと観察し、スタッフ間で情報共有をしている。

井上博文プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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