極論に極論をかぶせても論文にはなりません
今年ほど、小論文ネタ、つまり時事ネタが豊富な年はありません。新型コロナを筆頭として、グローバル社会の象徴のような問題から、大阪の問題のようなローカルなものまで目白押しです。大阪市廃止の投票は大阪市が存続するということで決まりました。この問題が何であったかの本質は、これから、総理大臣の嫌いな学者が検証するでしょう。大阪市廃止問題は京都の私には関係ありませんが、日本というカテゴリーにおいては注目されたと思います。選挙は民主主義の基本と言われますが、この十数年で社会の分断が分断の名手によって世界中で行われています。気づけばありとあらゆるところで分断現象があり、それを煽るグループと、分断を否定するグループが激しくぶつかり、さらに分断が進むという、(おそらく負の)循環がが珍しいことではなくなりました。そのような中でアメリカ大統領選挙が行われています。4年前にはこんなコラムを書きましたが、今回も接戦のようです。これを書いている時点ではまだ決着はついていませんが、事前予想ではバイデン氏が有利とあります。前回同様トランプ氏が不利との報道が中心です。もちろん、前回のこともありますので、土俵際でうっちゃることもあり得ますので、予断を許さないでしょうが、私がアメリカ国民ならドキドキしながら、選挙の行く末を見るだろうと思います。何せ、今の大統領のもと、新型コロナによって、23万人という人が亡くなっています。このような人が大統領として再選する可能性がある国に自分がいた場合、「自分には関係がない」とは言えない話になりますので、選挙の行く末をしっかり見て、自分の来し方行く末を考えて行かねばならなくなると思います。
トランプ氏は、日本の前総理大臣と同じく分断の名手で、超コア支持層をどこまでも大切にして、鉄板支持層を30%を作り、指示しない層を徹底的に敵と定めて、攻撃するという手法を取りました。日本では、最近はエリートと非エリートという分断が一般化し、学術会議が犠牲になりました。アメリカではここまで学問に対する敬意のなさを支持する層が多くはないと思いますが、エリートが嫌われる空気は強くなってきていると思います。日本では各年代の半分近くが大学に行くようになっているにも関わらず、学術会議があのようなひどい仕打ちを受けても他人事になっています。大学を出たなら、学問に対する政治の理不尽な介入に対して嫌悪感を持っても良さそうなのですが、そうはなっていないところに、すでに分断がなされていたと気づきます。それに手を打てなかった学問の側の責任も大きいのだろうと思います。
今回のアメリカ大統領選挙もどちらが勝つかの予想が割れるくらい、拮抗しています。その手法は大統領の分断戦略を中心として、それを切り崩す対戦相手の戦略という構図です。どちらかが勝つというより、どちらが負けるのか、という選挙と言った方が適切で、これはアメリカに限らず、日本やその他の諸国でも同様になっていくと思われます。民主主義の悪用ですが、これを止める方法は世の中に存在しません。その意味でバイデン氏が勝っても、構造がひっくり返るだけのことで、根本的解決にはなりませんので、実はあまり状況は変わらないのです。こうなると、大阪さながら、最後は人気投票になりますので、「好き票」を多くして「嫌いで失う票」を少なくする戦略が中心になります。これが最後の浮動票を獲得して、悲しいかな、この票が勝負を分ける可能性が高いということです。アメリカのメジャーリーグでも、データが細分化しすぎて、めんどくさくなった選手はどうなるかというと、結局、ものすごく速いボールを投げるピッチャーと、データを吹き飛ばすくらボールを飛ばすバッターの勝負になって、笑ってしまうくらい大味の試合が増えているのですが、どことなく似ていると思います。でもわかりやすいので、実は人気があるということです。大阪を見ているとこれから日本のたどる道も同じなのだろうと思いますし、これはエリートだろうが、非エリートだろうが、時代の流れであって、止めるのは難しいのだろうと思います。行く末がどこなのか、見極めることが大切です。
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