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井上博文

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井上博文(いのうえひろふみ) / 塾講師

株式会社コムニタス

コラム

小論文を作る前にしておかねばならないこと

2013年10月24日 公開 / 2015年1月6日更新

テーマ:小論文対策

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

小論文の練習は、最終的には書くしかありません。
しかし、一定の作業ができていなければ、
いくら書いてもあまり意味がありません。
小論文を書く前にできておかねばならない状態が
あるということになります。
それは、自分の考え方を作ることです。
例えば臓器移植のような、難しい問題は、同じ人の中でも
見方によっては賛成、見方によっては反対ということも
起こりえます。この場合、医療従事者を希望する人以外は
賛成であっても、反対であっても、どちらでも構わないのですが、
いずれにしても自分のどのような考え方に基づいているかが
問われています。

読み手は、筆者がどういった考え方をしており、
それに基づいて、どんな問題意識を持ち、
その問題に対して、どんな回答を持ち、その回答を
裏付ける根拠、データ、情報を持っているか。
まずこれを見ます。小論文は基本的にこれで決まります。

さらに上級になると、読み手を説得するために
どういった筋書きを作るかも必要です。
読み手が、「なるほど、説得された」と思ってもらえる
文章ほど良い文章と言うことができるのです。
より説得力のある文章にするために、どのような構成を
とるかも上級者としては重要ということになります。

さらにさらに上級になると、根拠やデータの質が
問われます。インターネットを根拠にするなど
文字通り論外です。テレビも論外です。小説は使い方も
ありますが、基本的には使いません。新聞は、よく○○新聞が
良いとか、社説、コラムが良いなどと言いますが、
小論文採点者の中に、そんなものを素晴らしい根拠と
思う人は本当にいるのでしょうか?10年近く小論文の採点を
してきましたが、そんな人に私は出会ったことありませんし、
私自身、新聞を根拠にしたとしても「ふーん」程度の
感慨しかもちません。新聞を読めば小論文が書けると
言った人は誰なのでしょう?いまだに疑問です。

もちろん、新聞は時事問題を知る上で、必要ではあると
思いますし、テレビよりはマシな一面もあります。
しかし、新聞記事など、地域版以外は、どこにでも出ている
情報であって、余程でない限り、特別な情報は出ませんし、
それを発見するために目を皿のようにして、記事を読み倒す
ヒマがあるなら、もっと読まねばならない本や情報があると思います。

そのためにはやはり、何かしら論考されたものを読むのが
妥当でしょう。最近は減っていますが月刊雑誌は良いと思います。
よく書いているのですが、『日本の論点』を私は推していたのですが
残念なことに昨年から、規模が縮小されてしまいました。
ただ、このような雑誌の場合は政治的思想が全面的に絡むことも
多いですので、それを踏まえた上で、偏らないように、対立構造を
しっかり読み取ることも勉強です。これを繰り返して、積み重ねるうちに
徐々に自分の考え方ができてきます。最初は人に影響されます。
それもよいと思います。しかし、徐々に他人からの影響を離れて、
自分の意見を述べられるようになると、基礎ができたと言えますので
あとはどんどん情報を上に積み上げていけばうまくいくと言えるのです。



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