うがい薬がドラッグストアから消えたのだそうな

井上博文

井上博文

テーマ:実は知らない面接対策・集団討論対策

京都コムニタスでは必修の授業で「自分で考える」ことをよく伝えています。では「自分で考える」とはどのようなことか、これが難しくて永遠の問いです。まずここから自分で考えてみましょう。そう書いているところで、『思考の整理学』の著者、外山滋比古氏がなくなったとのニュースを見ました。私も学生のころ、この本をよく読みました。若い人たちにもこの本は読んで欲しいと思います。そして是非「自分で考えるとはこういうことか」という感触をつかんで欲しいと願います。

「うがい薬買い占め」で露呈する、日本の学校教育の致命的欠陥という記事を見ました。「大阪府知事が、新型コロナにうがい薬が効くと言ったそうな」ということを、私も聞きました。実際は何を言ったのかは正確に知りません。失礼ながら、彼の言うことなど興味はありませんので、彼の言葉の真意などどうでもいい話ですし、どうせ都合が悪くなると「誤解が生じた方々」に「謝罪」をするのでしょうから、こういった人の言葉は命を持っていませんので、見る、聞くの価値はありません。

こういった不真面目な政治家の言葉は、もはやどうすることもできません。私たちは、まずこういった特殊かつ異様な人々の言葉に振り回されない対策を講じるために「自分で考える」必要があります。「何でこんな冗談みたいなことを、みんな信じるのだろう?」という素朴な疑問を持つ人の方が実は多いはずです。だって、うがい薬ですから、うがいをして、喉や口腔内を洗浄するわけですし、インフルエンザでさえ、すでに予防にうがいを皆が一定の効果があると思ってきたわけですから、少なくとも「何も意味がない」とそもそも思う人の方が少ないでしょう。そんな仮説を立てて実験者は実験をしたのでしょうから、実験をして、「イソジンがな~んにも効果がなかった」という結果が出た方が悪意を感じます。別にうがい薬の会社から賄賂をもらったわけではないでしょうから、冷静に考えると、純粋に「うがい薬がコロナに効く」とお考えになった節さえ見受けられます。その脅威的(驚異的)純粋さは、ヒトラーさながら、意味不明な共感を生むことも私たちは知っておいた方がいいでしょう。純粋だから真面目だとは限らないということも申し添えておきます。

しかし、政治家というのは選挙で勝った人です。選挙は多少前後はあっても50%程度の投票です。つまり1000人いたら、500人しか投票しません。うちその半分の250の票を取るとほぼ「大勝」でしょう。数字のマジックは恐ろしく、実は4分の1未満の支持しかなくとも、「皆が選んだ」ことになり、「支持しない」「興味がない」750は、今の政治家は無視するのです。あるいは総理大臣が「あんな人たちに負けない」と言ったように「敵視」するのです。実は彼らが敵視するのは、過半数以上の人だということに気づいておかねばなりません。自分で考える第一は、自分で仕組み可視化したり、数値化することで、異様な人々が使うトリックを見抜くことです。手品の種を見抜くのと同じ仕組みです。

この記事は、不真面目な政治家にだまされるのことを教育の問題に落とし込んでいます。もちろん、私としても一理あると思います。「自分で考える」時、私が思い出すのは、大学生の時に、オウム真理教がメディアで連日取り上げられていましたが、その時に最も違和感を持ったのはメディアのあり方です。私はいまだに社会の害悪は既存メディアだと思います。しかし、これを封じることは言論の自由を脅かすので、いつも既存メディアが最強の地位を保ち続けました。しかし、近年、インターネット情報の普及が状況を一変させ、既存メディアを追い詰め始めました。私はもっと様々なメディアが出て、既存メディアを消滅させることを希望していますが、事は、そんなに単純ではありません。便利グッズは人々に「めんどくさい」という言葉を与え、多くの人はPCを立ち上げる時間さえ我慢ができなくなりました。そんな人が、情報を自らすすんで精査し、何が事実かを考えるようになるか、というと、無理があります。巡り巡って結局、より「権威」「権力」の情報を鵜呑みにして、そこに疑いを持たないという先祖返りになってしまっています。

次に「自分で考える」とは、一般には「疑いを持つ」こととされます。仏教はブッダの言葉さえ、言葉である以上は疑いを持つようにブッダ自身がそう言います。かりに発信元が素晴らしいことを言っても、伝言ゲームで必ずおかしくなります。なんなら真逆になっていることだって珍しくありません。これを異様な人々は「誤解を生じた人々」にすり替えるのです。そこで疑いをもつだけだと逆手に取られますので、「追求を前提としない素朴な疑問を持つ」ことを自分で考えましょう。あのような異様な人々はむしろ追求には慣れているのです。そしてファイティングポーズを取ってくる相手に対しては強力な攻撃性を既存メディアの前でパフォーマンスすることで、ショーを演じます。プロレスのようなものです。勝ったか、負けたかはさだかでないにも関わらず、彼らは「勝った」と叫びます。そんな連中に理性的な話は通じませんので、そもそも追求をしないことが重要です。つまり、そういった戦略を冷静に考えることが自分で考えることです。
他にもありますが、稿を改めます。


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井上博文
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井上博文(塾講師)

株式会社コムニタス

塾長以下、スタッフが、全ての生徒の状態を正確に把握している。生徒をよく観察し、成長度合、どのような不安や悩みを抱えているか、をしっかりと観察し、スタッフ間で情報共有をしている。

井上博文プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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