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井上博文

大学院・大学編入受験のプロ

井上博文(いのうえひろふみ) / 塾講師

株式会社コムニタス

コラム

こんな時だからこそ面接では人間性とその背後が問われます

2020年4月20日

テーマ:実は知らない面接対策・集団討論対策

コラムカテゴリ:スクール・習い事

新型コロナウイルスに関する報道は無数にあり、どのニュースを見るべきかは、私にも正直なところわかりません。世の中が混乱するとは、このようなことを意味するのだということをまざまざと見せつけられています。ニュースも皆がいろいろなことを言いすぎて何が正しいのかがわかりませんし、政治不信とはこのことで、誰も政治家が本当のことを言っているとは思っていません。「どうせまた・・」が枕詞に来るような思いが常にあると思います。

私は阪神大震災を体験しました。それはまさに緊急事態でしたが、あくまで被害の中心は兵庫県の神戸近郊であって、日本全国の問題ではありませんでした。東日本大震災ほどの規模の地震でもそうです。少なくとも私にとっては「東北の人は大変だなぁ」「できることがあったらしよう」くらいのレベルで、いくらきれいなことを言ったとしても、頭の中は所詮他人事です。自分の日常が崩れることはありませんでした。しかし、新型コロナウイルスは、世界中に拡散してしまい、私たちの周辺でも日常が失われ、もしかすると、多くの企業が潰れてしまうかもしれません。もはや対岸の火事ではなく、いつどこに燃え広がってもおかしくありません。決して他人事ではなくなってしまいました。

私は仏教学が専門ですので、こういった時にはいつも仏教を下地に考えますが、この国に仏教が導入されるにあたり、蘇我氏と物部氏が争って、蘇我氏が勝利して、聖徳太子と推古天皇、蘇我氏の体制ができて云々・・といった話は有名ですが、実は、その背後には疫病の流行がありました。時の敏達天皇は仏教に関心を示さなかったこともあり、廃仏派の物部氏は、これは蕃神(よその国の神)のせいであるとして、一時仏教を排斥することに成功しかけますが、疫病は流行し続けます。そして天皇が代わり、次の用明天皇もおそらく疫病で崩御されたと言われます。これ以降がよく知られた蘇我氏と物部氏の争いにつながるのです。結果蘇我氏が勝利し、推古天皇が即位し、摂政に聖徳太子がつくという構図ができていったと考えられています。政治家というのは、いつの時代も似たようなことをするものです。

問題はここからで、こういった状況を私たちのように今の時代を生きている人は、ほぼ初めて経験しました。だから、対処法は実は誰も知りません。過去の感染症の記録はあるものの、やはり、現代とは事情が違うので、比較がしにくいものです。今は数年で情報技術が格段に進歩していきます。だから、私たちは瞬時に世界の情報を知ることができます。だから、本来はパニックにならなくともいいはずなのですが、実はそうはいきません。そもそも最もパニックになって欲しくない総理大臣とその周辺が大パニックです。パニックになっても有効策を打てるなら、本当に能力のある政治家かもしれませんが、残念なことに、この国の政治家は国民のことが大嫌いなのでしょう。どうやったら国民が困るかを考えたかような政策を打とうとします。おそらくは悪気はないのでしょう。もしかすると、マスクを配布したら、愚民どもは喜ぶと思ったのかもしれません。しかし、今、世の中の周辺を見渡して、マスクをしたくてもできていない人がどれほどいるでしょうか。逆に、皆さんどこで手に入れているのだろう、と思うほどどの人もマスクをしているはずです。当塾ももともとストックがありましたが、多少は入手できています(実は一回だまされて、事務員にしかられました)。良し悪しは別として、1枚200円で売っている自販機を置いているところもあります(買って使ったら一回で破れましたが)。要するにマスクは手にしている人の方が多いのです。それをわざわざ効果性により疑問のあるとされる布マスクを配布するというのは、愚かと言えばそうなのですが、政治家としての無能さや愚かさというよりも、人間性の問題なのだろうと思います。
現代社会において空気を読むことは必ずしも推奨されるものではありません。しかし、空気を読まれすぎて、忖度されすぎた政治家は、こういった緊急事態でも空気を読まれすぎると、まさに裸の王様になってしまうわけです。さらに残念ながらこの国の総理大臣は子どもに「王様は裸だ」と言われて改心するような性質の持ち主には見えません。
要するにこれは人間性の問題です。聖徳太子は、政権についた後、十七条憲法を打ち出します。繰り返しですが、その背後に疫病の流行があったことを理解しておく必要があります。これは専門能力とか学力などとは別の能力と見ていいと思います。こういった時に、できるだけ多くの人利益が考えられる、負の連鎖が起こるような行動をしない、他者に取らせない、自分のできることをよく知って、その限りを尽くす。抽象的ですが、こういったことをが具わっている人とそうでない人の差は大きく、緊急事態になると、如実に露見します。通常の面接対策は、自分のネガティブな部分がばれないようにコーティングすることは有効ですが、今年のような状況にあると、それだけでは足りず、自分が具体的に他者に資する行動として、どのようなものをイメージしており、その発想は自分のこれまでの人生のどのような経験、体験に根ざしたものであるか、このような問いに答えられる自分を作っておきたいところです。


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