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戦慄の「学歴ロンダリング完全マニュアル」 を読みました。以前にも似たようなことを書きましたが、私はこの言葉が好きではありません。例えば大学卒業資格のない人が大学院に行ってもいいと思いますし、よりブランド力の高い大学院に行きたいという気持ちがあっても否定されるべきではありません。私としては、この言葉があるのも、「大学受験至上主義」があって、大学入試で入った大学が評価される傾向にあり、就職活動でもその傾向があることに起因すると思っています。しかし、大切なことは、あくまで「入ってから何をするか」ということであり、入ることがそれ以上に大切になることはありません。
今回、この記事を見て、あらためて取り上げようと思ったのは、もちろん新型コロナウイルによって、大学のあり方が大きく変わることが予想されるからです。今、大学はオンライン授業の構築と完成を進めています。これにかなりのお金を投資しています。今更、コロナが収束したからといって、オンライン授業で得た成果を捨てることはあり得ず、今後はこれを組み入れたり、あるいは、例えば15回の講義のうち半分はオンラインにするとか、補講はオンラインにするとか、工夫の方法は無限にあります。日本の大学は長く古いシステムに拘泥してきたのか、私が学生の時と、今でもシステムの変化はとても少ないと思います。そのような悠久の時の流れも大事なのかもしれませんが、ここに来て、そうは言っていられなくなりました。望む、望まざるに関わらず、大学は大変革をしようとしています。パラダイムシフトと言ってもいいような状況にあると言っていいでしょう。
大学においてオンライン化が成功すると、社会に大きな影響を与えることはもとより、大学のあり方も変わります。オンラインで良いという講義が半分あったとすると、それだけ、学生のキャンパスに来る人数が減ります。要するにキャパシティに余裕ができます。また、今では大きい大学はキャンパスを各地に持っているわけですが、○○キャンパスでしか受講できない、という講義も減ると思われます。より学際的な教育を提供できるならば、学部、学科の再編は大いに進むでしょう。このような連鎖を想定した場合、これからのブランド力は、名前やキャンパスの広大さや美しさ、設備の良さだけで決まるのではなく、より多様なオンライン教育への対応力も加味されることになることが予想されます。
「戦慄の「学歴ロンダリング完全マニュアル」」という記事は、「戦慄の」とあったので、かなり刺激的な記事かと思ったのですが、そこまで攻撃的な記事ではありませんでした。まだまだ、社会人が大学院に行く、大卒でない人が大学院に行く、という選択肢は、私たちのような仕事をしていると気づきにくいもので、ほとんど一般化していないということがわかります。しかし、オンライン化が進むことで、インターネットを見る機会が増えるわけですが、社会人の人がより無理なく大学院を卒業できる環境の整った大学が増えることは間違いありません。それが有名大学とは限っておらず、むしろ規模の小さい大学の方がチャンスが多いと見ています。どうしても大規模大学は今回のオンライ講義でもアクセス集中にサーバーが耐えきれていないケースがたくさん報告されており、より快適なオンライン教育環境を作ったところが、ブランド力を高めていくと予想されます。
京都コムニタスも、オンラインを推進しています。私たちのLMSを開発中で、これを経験してもらうことで、大学や大学院に進んでも抵抗感なく、オンラインに対応できるようになっていただくことも考えています。学歴ロンダリングという言葉では、説明できない時代が目の前に来ています。
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