大学院に進む意義
京都コムニタスでは必修の授業がありますが、ここでは負の連鎖との向き合い方についてよく話します。この授業の目的の一つでもあります。コロナウイルスの影響で、オリンピックが延期になりました。これは、そうならざるを得ないことは早くから予想されていましたので、驚いた人は少なかったと思います。むしろ、強行に開催すると決まった方が驚く人が多かったでしょう。総理大臣がいろいろ言っても、いずれは中止か延期になることが決定的であり、おそらく延期が現実的で、ポイントはアメリカ様の許可が取れるかどうかと、いつまで延期するかの調整であったと考えられます。調整と言えば聞こえはいいですが、その中身のどす黒さは想像するだけで不快感満載です。
なぜ、オリンピックが中止か延期か、強行開催かで議論がなされるかというと、それぞれどのような波及効果があるかを考え、本来あるべきポジティブな波及がなくなった場合のリスク回避がどこまでできるのかを皆が考えるからです。できるだけ、被害を少なくしたいところですが、負の連鎖にはまり込むと、ある程度の被害は覚悟せざるを得ず、どの種の被害を受けるかの覚悟を決めることも重要です。
ただ、今回のコロナウイルスのように全世界を飲み込むような負の連鎖の事例は数少なく、オリンピックでさえも、負の連鎖の一つにすぎないというところに規模の大きさを感じざるを得ません。こうなると、その行く先が見えないので不安が大きくなります。不安は「わからない」と生じやすくなります。始めて来た場所で、目隠しをされ、一週間過ごさざるを得ない状況におかれると間違いなく不安になります。人は不安になる状況に入ると情報を得ようとしますが、情報が遮断されたり、情報源が明らかに信用ができない人物であったりすると、不安は増大します。今の日本政府はその意味では世界中のリスクです。海外メディアの多くは日本政府の言うことを信用していません。彼らの発する情報の信用度の低さによって、誰も彼らが本当のことをそもそも言わないと思ってしまいます。そうすると、コロナ対策行動も一貫性がなくなります。例えば、学校閉鎖もそもそもがエビデンスなき行動ですから、いつまでやるべきかが不明確なまま突如始まりました。本来はどうなるかわからないのであれば、一つの選択肢として「前例のないことでどうなるかがわからないが、子どもが感染するリスクを下げるために学校を閉鎖する。ただし、○○日までに感染がなければ順次再開し、感染が広がっている地域は待ってもらう。その際の学習の遅れなど、格差が生じた場合の対応は追って通知する」。くらいのことは最低ラインとしては言うべきことです。もちろん、これだけでは解決になりませんが、正直に言うことで理解は得られやすいと思われます。今の政府には望むべくもありませんが。
この状態では、当然、半月もすると「いつまでやるのか」という疑問がわいてきます。そうすると、「どうせまた朝令暮改なのだから、自分たちで考えよう」となります。そうすると、「それぞれの考え」によってバラバラの対応になります。そうすると、「自己判断」で学校を再開するところと、再開しないところが生じます。だったら、最初のある種強制的な閉鎖はそもそも意味があったのか、となります。最悪なのは今の政府の文字通りの「必殺技後付け」です。結果を見てから後出しをするのが、この政府の無数にある悪い癖の一つです。各学校が独自判断を始めると、そこに合わせたことを言い始めます。
ただし、現在の結果論として、コロナウイルスは収束に向かうことはなく、東京ではより大変なことになってきており、首都封鎖などという物騒な状況になりつつあるのに、学校は始まる方向に向かうように文科省が言い、そして大学はというと、4月20日前後から始まったり、学年暦を変更しない大学があったり、あるいはゴールデンウィークあけから始まったり、あるいは海外のようにウエブで授業をしたり、と対応がまちまちで、そこは文科省は「各大学が工夫せよ」と言っているようです。要するに、いつものことですが無茶苦茶で、政府がパニックになると、かくも無残な連鎖が起きてしまうのです。大学が始まることに関しては、総理大臣は何も言いませんが、極めてリスクが高いことは間違いありません。大学は大きいところでは1万人規模の人が集まるわけです。それこそ国をかたる役所が、何か方針を出さねばならないはずですが、残念ながらこの国は今機能していないのです。戦争の時期もこのような社会だったのだろうと思います。
こうなると、この波に飲み込まれますので、自分たちでこの負の連鎖の現実を受け止め、何が正しい行動かを可能な限り見極めていく必要があります。
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