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井上博文

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コラム

命懸けで情報をもたらす人々

3年以上の長きにわたってシリア近郊で武装勢力らしき者たちに拘束を受けていたジャーナリストが無事(とは言えないかもしれませんが)帰国されました。いろいろなことがあるのでしょうが、人の命が失われなかったこと以上のことはありません。インターネット上(だけではないようですが)では、助かる必要がなかったかのような声があるそうですが(私がそういった書き込みはあまり見ないようにしています)、とても残念なことです。普段人間が食べている動物がどこかに迷い込めば、救出することに大きな違和感はありませんが、それを感動物語にするメディアが、同じ口で、ジャーナリストという重要な仕事をしている人物の帰還を素直に喜べないことには強烈な違和感を感じます。

本来、私としては本件について、あまり情報があるわけではありませんので、言及する予定はなかったのですが、結構な数の人から本件について質問を受けました。小論文に出そうという声もありましたが、その多くは本件の真相についてではなく、どういう立場で外で話せば、ひんしゅくを買わないか、という系統がほとんどでした。そんなことは私も知りませんので、ネット情報を見てみると、「無事帰って来て良かった」という声よりも多かったのは、「自分で行ってはいけないところに行ったのだから自己責任」「多くの人に迷惑をかけた」「税金がもったいない」などだったように思います。私は、塾生に大学院に進学して、進学後の生活がうまくいき、その後の人生に大いに学んだことを活かしていただきたいと、心から思っています。そのためには、やはり情報は極めて重要で、テレビメディアなどが一方的に流す情報だけを見るのではなく、様々な角度からの情報を駆使して、多様なアプローチを身につけ、事実に迫ることをアカデミックスキルとして伝えています。私自身も大学や大学院でそのように習いました。私の師匠もアフガニスタン空爆のすぐ後にアフガニスタンに入りました。もちろん、密入国ではありませんが、外務省は快くOKは出しません。それでも重要な情報がそこにあるならば、時に命の危険があってもそこに行って情報を取りにいく人はいるのです。
古くは、唐の時代、玄奘三蔵は、国禁を犯して自国を出て、インドまで旅をし、あちらで教授にまでなり、その後帰還し、一大仏教センターを中国に築きます。道中、危ないどころか、何度も命を落としそうになります。
少し、新しいところでは、河口慧海という日本人僧侶は、当時、鎖国状態のチベットに入り、独学でチベット語を身につけ、おそらく高山病にもなりながら、当時のダライラマ13世に謁見するのです。何せチベットは日本人未踏の地でしたから、命がけです。河口の行動はどこか今のジャーナリストと似たところがあります。是非関心のある方は、たくさん本も出版されていますので、ご覧いただきたいと思います。機会があればまた触れたいと思います。

いつの時代も、「今そこに何があるか」「今そこに何が起こっているのか」このような疑問から来る情報を欲しいと思う心は、それほど大きく変わるものではありません。それを命を賭して取りに行く人々にリスペクトを払うことはあれども、侮蔑したり、わかりもしない自己責任論をかざす人には、塾生にはなっていって欲しくはありません。危険を冒すことが良いことではありません。慎重になることももちろん大切です。当然、今回帰還されたジャーナリストは、私たちよりもはるかに慎重で、軽率な行動はとらなかったはずです。だからこそ帰還できたと思います。大事なことは無事に帰還して、知り得た情報をその国や地域の人々にもたらすことです。残念ながら、無事に帰ってくることができないこともたくさんあるのです。かつて法顕は、大人数で出発しますが、最後一人で帰還したそうです。それでも『法顕伝』を残すことで、その情報は今も尚生きた重要情報なのです。

ジャーナリストを無事帰還させるのは、その国にとっても大きな利益であり、インターナショナルなジャーナリズムができる人間を育てるのも教育の1つなのです。かつて最澄や空海は遣唐使として、中国に行って帰ってくるわけですが、最澄は還学生で一年契約で、空海は留学生(るがくしょう)で次の遣唐使が来るまでかえって来れない契約で中国に渡ったのです。スパイのようなものと言えば身も蓋もありませんが、彼らの活躍がその後の平安時代から今に至るまでの日本仏教の礎を築くのです。

行って還ってきたと言うのは簡単ですが、そこまでの準備期間と、現地での苦労、様々な要因がなければ、無事に帰ることなど、難しかった時代の人です。それでも尚、かの国に行き、最新鋭の情報をもたらし、それを国益と考えたのです。
その情熱にリスペクトを払えない現代人はあまりにも残念です。当塾の塾生には、是非過去の人々の情熱をしっかり学んで、少なくとも知識としては知っておいていただきたいと強く願っています。



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