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井上博文

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井上博文(いのうえひろふみ) / 塾講師

株式会社コムニタス

コラム

震災から7年経ちました

2018年3月12日

テーマ:雑感

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

東日本大震災が発生して7年です。少しずつ、報道も少なくなり、人々の記憶から薄れつつある面もありますが、当事者にとっては、一生涯忘れることのできないものです。阪神大震災経験者としては、三宮界隈が復興していくと、震災から時間が経っていくことを実感していました。当時大学生だったので、電車を降りて、神戸駅まで歩く過程の中で、復興を実感していました。それでも7年も経つと、さすがに慣れも生じ、歴史として、震災を感じるようになっていったと思います。阪神大震災と東日本大震災の決定的な違いは、規模の大きさと、原発問題です。私は阪神大震災以上の地震なんて金輪際ないと勝手に思っていましたが、それ以上がありました。そういった心構えは、これから必要なのかもしれません。一方で、原発問題は、大いに人間の問題です。いまだに帰還できない人々はたくさんいます。風評被害に苦しむ人もたくさんいます。生活の場が他の地域に移り、帰りたくても帰れない人もいます。今となっては純粋な震災以外の被害の大きさがこの震災の問題です。自然災害は、時間とともに薄れていってくれる面もありますが、人災は、かなり長引いてしまうところと、さらなる人災があらたに生み出されてしまうところが問題です。可能な限り新たな被害者が出ないようにする必要があり、そのためには情報とそれを駆使する人間の力量が何より重要なのです。

今、この国の政治と行政と報道が問われています。少し前にも書きましたが、恐怖を感じるくらい滅茶苦茶な状態です。キーワードは嘘をつくことです。原発問題でも、国という名前の役所が定めた基準を人々は信じざるを得ません。一般人は、国の基準を破ると、悪ければ逮捕され、裁判にかけられます。しかし、今は、内閣という行政のトップが堂々とルールを破ります。子どもが見てもわかる嘘をつきます。アメリカにも簡単にハシゴを外されます(関係ないかもしれませんが)。公文書(決済文書)は、それ自体が重いもので、内閣や総理大臣や官僚の個人所有物ではありません。都合が悪いからといって書き換えられたのでは、国家が成り立たなくなります。なぜなら、一つ嘘があると、他の文書も嘘をついていないという証明が成立しなくなります。このような文書は国家と国民の契約関係の中で「信用」で成立しているため、基本的に国家は嘘をつかないと国民が「信じている」から成り立つのです。だから小論文でも「白書」を見ておきましょうと、私も授業の中で言うのです。
前にも書きましたが、嘘を根拠にさらに嘘をつくと、根っこがありませんから、ドミノ(玉突きとも言います)が起こりやすくなります。公文書はドミノが起こると止まらなくなるものの典型です。内閣支持派も非支持派もさすがに、これはないのではないのではないかと思った人も多かったのではないかと思います。今のところ、「誰が」「どのような指示で」「何の目的で」という問題は未決ですのでこれから問われ、偉い人が誰か辞めるのでしょうが、問題はそこにとどまりません。これから起こるドミノですし、そこで巻き込まれる多くの人々ですし、不備のある文書を魔女狩りのように見つけ出されるのではないかという恐怖とそれを防御するさらなる嘘と、少しでも傷があれば、徹底的に攻撃してやろうとする攻撃性の発生でしょう。さらにそれを商品化しようとする勢力も生じ、もう見たくない地獄絵図さながらの図面が広がってしまうことを懸念しています。六道輪廻の修羅界、修羅場という言葉がありますが、誰が誰と戦っているのかがわからなくなり、戦う必要もそもそもあるかどうかわからない状況下で、何となく多くの人が攻撃にさらされたり、防御という名前の先制攻撃があったりすることのないようにあって欲しいものです。すでに、多くの人の言葉がネットで検証されていることと思います。これは自然災害ではありません。全て人災ですが、決壊が始まっています。今はネットという無差別攻撃ができるツールがあります。「悪いやつはやっつけろ」、いつの間にか、最初の悪人は誰もいなくなっており、気づけば、怨みと争いと目的を変えた負の連鎖だけが残るという構図です。今こそ人間の教養と知性が問われるところです。



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