大学院に進む意義
大学院受験や、編入受験の場合、集団討論や小論文など、
自分の意見を求められることがあります。
しかし、中には賛成も反対も言えないものがあります。
そういった時には、はっきりと理由をつけた上で、賛成も反対も言えないと
言う必要があります。もちろん採点者は賛成か反対かを問いたいのではなく、
いずれにせよ、根拠を聞いて、賛成か反対かを導き出す思考経路や
考え方を知りたいのです。
例えば、ボクシングの世界戦で、世界チャンピオンという立場の選手が
大差で最終ラウンドに入ったとします。そのまま逃げ切れば、最終ラウンドで
ポイントを取られても防衛です。でも、ここで、様々な考え方がうごめきます。
「チャンピオンなのだからKO勝ちをしなければならないから、倒しに行かねばならない」
「チャンピオンなのだから、無理せずまずは防衛することが先決」
「チャンピオンなのだから、観客を喜ばさなければならない」
「チャンピオンなのだから、スッキリと勝たねばならない」
どれも正解とも言えそうですし、どれも正解とは言えないかもしれません。
でも、ここで運命を決める判断を下せるのは当事者だけです。
また、正確な意味で意見を言えるのは、ボクシング経験者だけです。
もっと絞り込めば、ボクシングの世界戦経験者くらいです。
私たち素人は、外野から無責任なことを言うだけです。
その意味で、内田樹氏のカジノに関する意見は、いろいろな意味で考えさせられました。
こちら
これを読んで、まず感じたことは、多分この国ではカジノについて成熟した議論は
できなさそうな気がするということです。
私はギャンブルをしませんので、実は何の知識もありません。
知り合いで海外までわざわざ行く人がいますが、その人の気持ちはよくわかりませんし、
あまり共感しようとも思いません。パチプロの文学博士も数人知っていますが、
私がパチンコに行くことはありません。京都には競馬場がありますが、
いまだに足を踏み入れたことはありません。
要するにギャンブルについて、何も知らないのです。
だから基本的にギャンブル議論は、酒場でもしません。
何も知らない人が、議論をしてはならないという決まりはありませんから、
自由に意見を言うべきだとは思いますが、必ずギャンブルそのものの議論から
外れてしまうところが難点です。
カジノを作ろうという人は、経済効果を主張します。
反対派は、経済効果を否定する人はあまりいませんが、ギャンブル依存など
ギャンブルのネガティブな側面を反対理由にあげます。内田氏はギャンブル自体を
否定しませんが、法律で公式に認めることに反対するようです。
ギャンブルは堂々とするものではないという考え方のようです。
経済効果があることが否定されないことは、多くの人が認めるようですが、
内田氏は、経済至上主義に警鐘を鳴らしています。
しかし、私にはギャンブルと株などの投資との違いがわかりません。
株は良くて、ギャンブルがいけないという理由がわかりません。
株主は、基本的に社会的責任を負いませんから、自分の利益だけを考えます。
その代わり、株が値下がりして、消え去った金銭の責任はすべて自分で負います。
だから、要するに儲けたいから投資をするのです。元政治家が株で儲けた話を
堂々と本に書いている人がいますが、こちらはひそやかにする必要はないのでしょうか?
しかし、株が上がった、下がったというのは、毎日ニュースに出ますから
この国の重要なトピックなのでしょう。株を禁止するということは現実的には
ありえないことだと思われます。
こういった話をすると、たいてい、とりとめもない話になり、論点を定められなくなってしまいます。
こういった時には克服すべき課題の優先順位を決めるところから始めるのが
良いのではないかと思います。
例えば、すでにあるパチンコや株の問題はどうするか
(一緒にするなと言われるかもしれませんが、私にとっては違いがわかりません)
まずはパチンコを法制化するかどうかが大きな議論であることは
間違いないと思います。「ひそやかに換金」という問題ではないと思います。
①現状維持
②法制化して、暗黙の了解をなくして、警察見解を修正する
③カジノに統合する
例えばこんなアイディアを出してから議論すると、知識のない人間だけの議論であっても
少しは実りのある意見がでるのではないかと思います。
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