質の低下をしない

井上博文

井上博文

テーマ:雑感

夏になるとたまにかき氷を食べに出るのですが、
昔からよく行っていた店(比較的有名な店)が
明らかに質が低下していました。
多分、先に作っておいて、冷凍庫に入れていたような状態・・・
言っちゃなんですが、かき氷なんてタダみたいな氷に
甘い何らかの蜜をかけるだけのものです。それに
800円とか1000円近く取るわけですから、相応の質を
求めます。冷凍庫に入れていたと一目でわかるのは
溶けた水が凍っていたからです。これはプロの仕事では
ないなぁと、かなりがっかりして帰りました。
言っちゃなんですが、そこはそうめんも出すのですが、
近年、量は減るわ、出汁は悪くなるわ、以前は添え付けのご飯と
ウナギ茶漬け用のウナギの山椒煮をつけていたのが、ウナギが
なくなるわ、で、すでに相当の品質の低下を感じていました。

もしかするとかき氷は質の低下はしていないのかもしれません。
しかし、一度目に見えた質の低下が起こると、客としては
全ての面に質の低下を見出してしまいます。
坊主憎けりゃ・・ではありませんが、店員の質も下がったと思います。

最近よく経営合理化で、人件費削減などと言いますが、
下手なことをすると、悪循環の始まりです。その店はよく
雑誌に掲載されており、今回行った時も雑誌の取材が来ていました。
私も経験がありますが、雑誌の取材は、取材される方が
お金を取られます。それも結構な金額です。テレビも同様ですが、
一度そういう宣伝をしてしまうと、一気に客が来るのでしょうが、
それだけの人数に対して、品質を維持するのは困難です。
→そして質が下がる→そして古くからの客足が減る
→また金をかけて宣伝する→人件費が足りなくなる
→人件費を落とす→よい店員がいなくなる→店員の質も下がる
→また客足が減る→宣伝する→一時持ち直すが→先が不安になる
→雑誌を見て一回だけくる客にはわからないだろうと料理の質を下げる
→そしてどうしょうもなくなる

といった末期症状を感じました。
私は、決して無駄にテレビなどの宣伝媒体を使うつもりは
ありません。テレビのような魔物が、歴史ある良い店であっても
崩壊させてしまうのです。一度悪循環に陥ってしまうと
そこから復活するのは容易ではありません。
やはり、地道にいつも来てくれる顧客に対して誠心誠意尽くすことが
結局良い仕事をすることにつながり、品質の低下を招かないのだと
思いました。
そんなことより、品質をいかに高めるかの方がはるかに重要なのですが、
一度悪循環になると、そのような思考もどこかに消え去ってしまうのでしょう。
「貧すりゃ鈍する」
誰が考えたことわざか知りませんが、全くその通りだと思ったひとときでした。


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井上博文
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井上博文(塾講師)

株式会社コムニタス

塾長以下、スタッフが、全ての生徒の状態を正確に把握している。生徒をよく観察し、成長度合、どのような不安や悩みを抱えているか、をしっかりと観察し、スタッフ間で情報共有をしている。

井上博文プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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