世間は社長に興味津々なのです!―専門性を伝えることの大切さ、メディアで初めて知った伝統職人の世界―
今日の目次
・フラフラといろいろやってきたもんだ
・戦略的マーケティングの結果
・淘汰か発展か?2極化が進む業界
・異なる世界で修業を積む重要性
フラフラといろいろやってきたもんだ
大学院を出たあと就職もせず、友人と会社を設立した私。
それは、いわゆるマーケティングリサーチの会社でした。
このビジネスについては、これまでもいろいろと書いてきました。今回はその主旨ではないので割愛します。
ということで私は、大学を出たあと、会計事務所職員→フリーター→大学院生→会社設立(役員)→税理士登録、という順番で、税理士になったということになります。
大学院生時代とフリーターや会社役員はやや重なっていますが、とにかく、こうやって振り返ってみて、まあフラフラといろいろやってきたもんだ、と今さらながら思うのです。(大学院生時代、結婚もしました。)
さてここで、冒頭の「専門職に就くのは、他の業界の職業経験を積んでからの方がいいのではないか。」というテーマに戻ることにしましょう。
これを自分に振り向けて考えたらいったいどうなるのか。
私の場合、実にフラフラと紆余曲折あったけれど、いろいろやってきてよかったな、と思っています。大学を出てあのまま会計事務所にいて、仮にそこで苦労して資格を取っていたとしても、今みたいな事務所経営はできていなかったのではないか、と思うのです。
戦略的マーケティングの結果
現在、私の事務所は約20名体制、人員は父の時代の2倍以上、売上もそれくらいの数字になっています。おそらく、私がマーケティングの仕事を経験していなかったら、こんな事務所経営はやっていなかったのではないか、と思います。
私は、この業界に入った当初、税理士業務というものを、マーケティング的視点で分析してみました。そうするとこの仕事は、従来の考え方ややり方では、どう分析しても将来は暗いようにしか思えませんでした。
そこで分析したあと、マーケティングの知識を活かして、今後進むべき方向性を戦略的に考えてみました。そして、それを外に向かって発信することにしたのです。初めのうち、こういったアプローチは周りから全く理解されずに、随分反発を買ったことを覚えています。
ただ、これは私にとって、それほど難しいマーケティング分析ではありませんでした。むしろ、周りが理解できないのが不思議に思えたくらいです。
とにかく、私なりにやるべきことの具体策はいろいろとあったので、それを少しずつ実行していった結果が現在の事務所の姿です。もちろん、すべてが順風満帆というわけにはいきませんでしたが、マーケティング的アプローチが大きく外れることはなかったのです。結果として、割といい感じで今のタイプの事務所ができあがっているのではないか、と思っています。
淘汰か発展か?2極化が進む業界
自分でリサーチして統計的な分析をしたわけではありませんが、業界誌などを読んでいると、どうやらこの業界でも2極化が進んでいるようです。2極化とはどういうことでしょうか。
それはまず、旧来の考え方や手法から脱皮できないでいる事務所は淘汰されるか、低価格路線で作業的な仕事を請け負う、というのが現状のようです。一方、法人組織にした上で様々な専門部署を備えて、全国に支店を作るなど、巨大化している事務所も出現しています。
私の事務所は、法人化したもののまだそれほど大きな組織ではありません。ただとはいえ現在、作業を請け負う的な仕事はやっていません。
どちらかといえば、顧客企業の経営を支援し、提案やアドバイスを行なうタイプの仕事にかなりシフトしてきている、と言っていいでしょう。それでも、まだ道半ばといったところで、やるべきことは山積しているのです。
異なる世界で修業を積む重要性
私の場合、自分が違う業界に所属していたのは、極めてラッキーだったと捉えています。中でも、マーケティングという考え方を取り入れることができたという点では、その後のビジネス展開に好影響を与えました。
マーケティングというのは、頭を柔らかくして先を見据える技術でもあります。最初からずっと同じ業界(会計、税務)の中にいたら、今みたいなフレキシブルな発想をすることはなかったのではないでしょうか。
医者や教員に限らず、他の業界を知ることの重要性はここにあると思います。広く世間を見ることは、仕事に向き合う上で大きな意味を持つのです。
そういえば、政治家の中にも2世3世となると、あまり世間のことがわからずに、国民の意思とはかけ離れた政策を考えたり実践したりする人間が出てきているように見えます。ここにも純粋培養の弊害が出ているように思えるのです。
いずれにしても、自分の専門分野とは離れた世界で修業を積むというのは、その後の職業人生を考える上で、必須のテーマではないでしょうか。
異なる世界へのチャレンジ「ラジオ放送」
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