地域企業の儲け方 ― 地元で20余年、儲かるためにやるべきこと ―Ⅰ
[す、すごい施設だ・・・]
ばさりと広げられた大きな図面・・・・
目の前に現れたそれは、一瞬、何が描いてあるのかわからなかったのですが、よく見ると何か広大な屋外施設の青図面だったのです。
真ん中に湖のようなものがあり、そのほとりには明らかにホテルらしき建物が描かれていました。
更にそれを取り囲むようにゴルフコースやコテージ施設もあります。
「こ、これはいったい!?・・・」
息をのむ我々に、Sさんが静かに口を開きました。
「A高原リゾート建設計画のラフ図面です。」
「A高原リゾート?」
いぶかる我々に説明を始めました。
「A高原リゾートは、我々T電力とK建設さんのJV(ジョイントベンチャー)で建設予定のリゾート施設です。真ん中にある湖は人造湖で、イタリアのコモ湖を模したものになります。この水辺の建物はリゾートホテルを建設する予定で、客室300室の大型の施設になります。更に、このホテルを囲むように36ホールのゴルフコースを造成します。また、ゴルフコースに隣接してコテージ村も建設する予定です。なお、この図面には入っていませんが、北側にある山を挟んで反対側に開設予定のスキー場も利用できます。こちら側からスキー場へは、ホテルに隣接して専用のリフトを設置する予定です。」
「す、すごい施設だ・・・・」
思わず、言葉が漏れていました。
頭の中で思わず
『あ、あなたたちは、日本の真ん中に地上の楽園を建設するおつもりか・・・』
といった言葉が浮びます。
人造湖もありました。
つづく