顧客ニーズとウォンツについて―顕在化した需要と潜在的需要について考える―Ⅱ
現代のビジネスのコンセプトを次の4つに分類しました。
①他者依存ではやっていけないということ。
つまり、「待ちの商売」では成り立たない。
②自主独創が必要であるということ。
つまり、オリジナリティーが必要である。
③自己主導では成り立たないということ。
つまり、こちら側の都合だけで売りたいと思うものは売れない。
④他者主導で成り立たせなければならないということ。
つまり、消費者が買いたいものを探り当てなければならない。
つまり、④のマーケティング領域に踏み込むためには、①③の経験則や成功体験の記憶を一度意図的に棄却しなければならないのです。
これらの経験則や記憶が強く残留したままでは、現代的手法であるマーケティングという新たなコンセプトが入って行きにくいことになります。
これは筆者が、高度経済成長時代に強烈な成功体験を持つことになった、年配の経営者との接触を通じて得た教訓でもあります。
ただ、誤解の無いように言っておきたいのですが、これは「良い悪い」の問題ではありません。
それだけ成功の果実が大きかったということを表しているのです。
それでは、マーケティング的能力を身につけるにはいかなる方法論があるのでしょうか。
結論から言えば、
「『仮説』を立ててその『仮説』を基にして『戦略』を構築する。」
ということになります。
消費者の欲求、とくにその潜在的な欲求を知るためには、常に『仮説』を立ててそれを『検証』するというトライ&エラー(試行錯誤)を繰り返すしかありません。
この一連のトライ&エラーを実行するについて、無駄を省くためにも的確な『仮説』を立てる必要があるのです。
つづく