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コラム
先駆者の矜持―「海賊と呼ばれた男」の先見性―Ⅰ
2017年1月15日 公開 / 2017年1月18日更新
「海賊と呼ばれた男」(百田尚樹著)という本がベストセラーになったのは一昨年くらいだったかと思いますが、今また映画化されてヒットしているようです。
大変面白いストーリーでした。
その本の中でこういうくだりが出てきます。
「これからは石油の時代ではないか。」
という主人公に、先輩の経営者が
「日本には石炭がまだ山のようにあるし、石油よりもずっと安い。それに一般家庭では石炭よりも安い薪がある。日本にすぐに石油の時代が来るとは思えんな。」
と答える場面があります。
明治末期の頃の話です。
この先輩経営者も決して凡庸な人ではありません。
それなりの見識や新しい知識を持った人です。
このやり取りを読んで、主人公の国岡鐡造の考えをおかしいと思う人はいないでしょう。
しかし、先輩経営者のセリフには
「へぇー、この頃までは「薪」が安い、とか言っていたんだ。」
と思うのではないでしょうか。
ご存じのように、現代では「薪」は希少品であり、ある意味貴重品です。
ちょっと贅沢な和食屋では「薪で炊いたご飯」が売り物になったりするくらいです。
このように、時代は激しく変転するのです。
今でも「石炭」そのものは安い燃料かも知れませんが、採掘、輸送などのコスト、熱効率、廃棄物などの点で石油にはかないません。
ましてや「薪」は、産業用のエネルギー資源としては使えないのです。
しかし、これらの資源がメインで活躍していた時代もあったということです。
問題は、これらの主役がとってかわろうとする節目に、先見的に気がつくかどうか、ということだろうと思います。
経営者であれば他者に先んじてこういった「臭い」に気がつかなければなりません。
この「気付く」という点に関して、経営者には立場上課せられた責任があるのです。
つづく
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