結露⑭~これからの住まいは内部結露との戦い
前回の2つの事例が結露した理由はどちらも放湿型結露なのでしょうか。
確かに築10年の事例は、10年の間で外壁のサイディング材の塗装やシーリングが傷み雨水が侵入し、材料が水分を吸湿して徐々に水蒸気が放出されたかもしれません。
問題は築2年の事例です。2年ではサイディングの塗装は吸湿するほど傷んでいないと思われ、また、外壁材などが傷み隙間ができているとも考えられません。そう考えると放湿型結露するほどの水分を材料がどうして含んでいるのか理由がいると思います。24時間エアコンを入れていたため結露しやすいとは考えられますが、わずか2年で床にシミが出るほどの結露水がなければなりません。
雑誌を読む限り外壁の工事の精度が悪く、外壁材やシーリング材に隙間が空いていたようなことは書いてありません。そうなると工事中に雨がかかり、濡れた壁が乾かないうちに外壁を張ったなどの理由がないかぎり、築10年の家のように外壁材などの材料が「放湿型結露」するほどになるのだろうかと思いました。
私はその理由はコラム「夏型結露⑨」に書いたように、冬向きの断熱工事のため通気層に入る高温多湿な空気がエアコンの効いた内壁へ移動し結露したと思います。雨漏りもなく、工事中に濡らしていなければ、他にはないと思われます。
雑誌には改修工事のことも書いてあり、初めの1件は雨漏り対策を行い、後の二件(築10年と築2年の事例)は、いずれも内壁をめくり断熱材を撤去し、乾かしてから断熱材、防湿シートでなく可変透湿シート張、ボードを張、透湿クロスを貼るという工事でした。可変透湿気密シートと透湿性クロスで仕上げ、壁の中の湿気が多い場合は室内に出すようにしたと書いてありました。
次回は、『増える夏型結露④~改修すると室内の湿度が上がる』です。
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