リフォームは工事中が大事⑧~壁を撤去したら近くに壁を

鈴木敏広

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テーマ:リフォーム

前回の書いた壁を撤去した場合、同じ方向で近くに壁を作らないといけないという理由は、以下のような理由からです。
耐震計算は、平面図を上から見て数学のグラフと同じように、横方向(X方向)と縦方向(Y方向)の壁は分けて計算します。別々に計算するのです。XとY方向は別々に計算しますから、X方向の壁を撤去したら同じX方向の壁を増やさなければいけません。Y方向ではダメなのです。

リフォームは工事中⑧

また撤去する壁の近くに、作らないといけない理由は離れればバランスが悪くなるからです(コラム「耐震診断④参照)。2000年の改正で耐力壁の配置もチェックするように、バランス良く四方に壁がないといけません。撤去した壁の近くに壁を作らないとそのあたりの力が弱くなることになるのです。

もちろん、耐震診断して壁が多いから撤去すればバランスが良くなることはあります。昔の家ですと夏に日差しが強いため西の壁は開口部が少ない家がありました。そのような場合は壁を取って窓にした方がバランスは良くなることもあります。壁を撤去する、補強する、新たに設けることすべて耐震診断次第なのです。

平屋なら2階がありませんから壁を取るなどのリフォームが簡単に出来るかもしれませんが、コラム「コラム「リフォームと耐震補強④に書いたように2000年6月から法律改正していますから、2階建てでは増やすなら分かりますが減ることはほとんど出来ないと思います。いずれにせよ診断して下がらないという理由のない間取り変更は出来ません。

次回は、『リフォームは工事中が大事⑨~大事なことは工事中』です。


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木造住宅からマンション、市の施設まで建築業界の最前線で培った経験を生かし、安心、安全、快適で長く暮らせる住環境を提案。大工経験から現場の声を大切にする家づくりは職人にも施主にも好評。リピート率も高い。

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